上昇余地があるかどうかは...
それでは株価が上昇している2部銘柄とは具体的にどんな会社か。最近市場で話題になったのが、殺虫剤など衛生薬品を製造・販売するフマキラーだ。強い毒を持つヒアリの日本列島上陸で注目され、株価が一時高騰した。外食産業で知名度があるのは、「立ち食い」が特徴のチェーン店「いきなり!ステーキ」などを運営するペッパーフードサービス。7月14日に2017年12月期の業績予想を上方修正し、連結純利益は前期比2.2倍の12億円としたことなどが好感されている。このほか、フィットネスジムチェーンなどを展開するRIZAPグループ傘下入りで業績改善が期待される和装品商社の堀田丸正と補整下着販売のマルコは、年初から株価が3倍ほど上昇している。これらの会社は「すき間市場で存在感が大きい」傾向が共通している。
兜町では2部銘柄が買われている要因について、「さほど過熱感がないことが安心感を呼んでいる」(国内中堅証券)との指摘が聞かれる。2部銘柄の平均PBR(株価純資産倍率)は1.3倍程度で、1部とあまり変わらない。PBRは株価の時価総額が純資産の何倍かを示すもので、異常の買われ方をすれば倍率も高まるわけだが、今のところ異常さは示していない。
ただ、この先も2部銘柄に上昇余地があるかどうかについては見方が分かれる。米景気の好調さなどからグローバル企業の多い1部銘柄に見直し買いの動きが移ることが考えられる一方、2部銘柄も発表が本格化する2017年4~6月期の業績次第では一段の上昇の可能性も十分にあるためだ。まずは1部、2部銘柄の4~6月期決算の内容に注目が集まりそうだ。