アイドルグループ「欅坂46」の楽曲「月曜日の朝、スカートを切られた」のタイトルと歌詞が物議を醸している。過去に曲の内容と似た痴漢被害に遭ったという女子学生が、この曲を耳にして「嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました」と訴え、「不謹慎」だとしてネットの署名サイトで賛同を呼びかけ始めたのだ。
この訴えは女性を中心に共感を呼んでいるが、一方でグループのファンとみられるネットユーザーの間では反発も広がっている。さらには、賛同を呼び掛けた女子学生に対し、「自分のしてる事が欅坂の子達を傷つけている事を分かってほしい」などと批判するファンも出ている状況だ。
「こんな曲を出すのは不謹慎だと思います」
欅坂46の「月曜日の朝...」は、2017年7月19日発売のアルバム「真っ白なものは汚したくなる」に収録された。アルバムのリード曲という扱いで、メンバーが出演するミュージックビデオ(MV)も制作されている。作詞はグループの総合プロデューサーを務める秋元康さんが担当している。
問題視されているのは、曲のタイトルとサビ部分の歌詞だ。社会や学校に違和感を抱く女子学生の心情を歌った楽曲で、サビには「月曜日の朝、スカートを切られた 通学電車の誰かにやられたんだろう」というフレーズが出てくる。
この曲が議論を呼ぶことになったのは、ある女子学生が署名サイト「change.org」上で歌詞の内容について「不謹慎だ」と訴えたことがきっかけだ。
投稿によれば、この女子学生は2年ほど前、通学中にスカートを切られる被害に遭った。そのため、テレビ番組でこの曲が紹介されたのを目にして、
「嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました」
との思いを抱いたという。
その上で女子学生は、「たくさん傷ついている人がいる中でこんな曲を出すのは不謹慎だと思いますし、この曲のせいでこのような犯罪が増えてはとても困ります」と訴え、共感を抱く人を署名で募っている。なお、この署名が始まったのは7月中旬で、8月1日14時までに約1980人が賛同を示している。