日本一の高さを誇る展望台から、眼下に広がる大輪の花火を楽しめるはずが......。2017年7月29日の隅田川花火大会を「特等席」で眺めようと心を躍らせていた参加者が、大きく肩を落とす出来事があった。
花火大会当日に実施された東京スカイツリー(墨田区)の特別営業。抽選などで選ばれた900人限定の夜間営業に参加したネットユーザーから、「花火まったく見えません」「雲でほとんど見えず...」との悲鳴が次々と上がったのだ。
「薄っすら見えてまた真っ白」
29日の東京はあいにくの天候で、隅田川花火大会は降りしきる雨の中決行された。今年は例年より2000発多い計2万2000発が打ち上げられ、傘を手にした多くの観客が雨空を彩る大輪の花火を楽しんだ。
だが、天候不順により花火を楽しめなかった人もいた。高さ450メートルを誇る東京スカイツリー展望台で行われた花火大会観覧イベントの参加者たちだ。
イベントは900人限定で、入場チケットは6月中旬頃から抽選販売された。価格は最安のプランで9800円(税込、参加者には別途おみやげが付いた)。そのほか、展望デッキ内にあるレストランで料理とともに花火を楽しめるプランは、食事代込みで4万7000円(同)だった。
決して安くはない金額を払って、隅田川花火大会を見るためにスカイツリーを訪れた参加者たち。しかし、花火当日の夕方頃から、ツリーの上部を覆うような形で雲が出現。展望台の窓から見える光景は、真っ白の雲だけ......という状況が起きてしまったのだ。
実際、ツイッター上にはイベントに参加したユーザーから、
「花火まったく見えません」
「雲でほとんど見えず、しまいにはプレス席から人が消え、微かに見えると大歓声という」
「薄っすら見えてまた真っ白。見えそうで見えないギリギリ感」
といった報告が現場の写真付きで続々と寄せられた。中には、真っ白の雲だけが窓に映る中で、花火の打ち上がる「音」だけが鳴り響く模様をおさめた動画を公開するユーザーも出ていた。