日銀、「出口」が遠のくばかり? 欧米では緩和「手じまい」

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「強力な金融緩和を粘り強く推進する」

   黒田東彦総裁が2013年、2年での目標達成を掲げて「異次元緩和」に踏み切ってから4年以上がたったが、5月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は0.4%上昇と、目標の2%にはほど遠い。目標達成時期の先送りは実に6回目に達し、ゴールはまったく見えてこない。

   黒田総裁は今回、7月20日の記者会見で「強力な金融緩和を粘り強く推進する」と述べ、早期の目標達成を目指す考えを強調した。しかし、過去の国債の大量購入で日銀の国債保有高は残高全体の4割に達しており、購入を増やし続けるのは困難。マイナス金利も金融機関の収益を圧迫すると大不評で、さらなる深掘りは難しい。日銀の手詰まり感は極めて強く、長期金利を0%程度に誘導する現状の政策を続けていくしかないのが実情だ。

   そもそも、日本の物価が上昇しない背景には、人口減少で成長期待が持てない中、企業が賃上げに消極的であることなど、構造的な問題があると指摘されてきた。アベノミクスが日銀の大規模緩和や政府の財政出動に頼り切っている限り、欧米との差は開く一方となりそうだ。

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