サバンナ仮説の見直しにも
今回の仮説はサバンナ仮説の見直しを迫るものになる可能性もある。地上生活の開始にサバンナも二足歩行も必要ないということは、二足歩行の起源が地上生活ではないと考えてもよいことになるからだ。
樹上にいたころから二足歩行が進化していたかもしれないし、地上に降りた後でなんらかの要因によって立ち上がる必要があり二足歩行になった可能性もあると竹元氏は指摘している。
今のところは仮説にすぎないが、さらに検証を進めるべくアフリカの森林地帯と中央アフリカに加え、雨量が少なく気温が低い東アフリカのチンパンジーの調査も始まっているという。より涼しい地域での地上生活の様子がわかれば、祖先が気候変動から受けた影響をより詳細に把握できる可能性もある。