農業トラクターも自動運転 「完全無人型」も視野

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いかに価格を抑えるかが課題

   ヤンマーも自動運転トラクターなどの農機開発を急いでいる。ヤンマーは6月に2号機が打ち上がり、18年度から運用される準天頂衛星「みちびき」に期待する。従来よりもGPSの精度が向上することから、これに合わせて農機の性能が上がれば、農作業の効率が進みそうだ。

   自動運転は乗用車でも動きが急だ。独アウディは7月11日、世界で初めて「レベル3」(条件付きの自動運転)と呼ばれる段階の自動運転車を今年秋に発売すると発表した。中央分離帯のある高速道路を時速60キロ以下で走行している時、かつ法律でこうした環境下での自動運転を明確に認めているドイツ国内に事実上限定されるとはいえ、運転者は公道上でありながらもハンドルから手を離してテレビ視聴などが可能になる。これが未来の話ではなく、現実となっている。国内でもソフトバンク系の自動運転技術開発会社「SBドライブ」が完全無人の自動運転バスの実験を続けており、まずは18~19年をメドに工場など私有地内での活用を想定したビジネスを始める計画。いずれは公道でのバス運行につなげたいとしている。

   こうした動きと比べても、主要な作業が農地内に限られる農機の自動運転化は進めやすいテーマと言える。実際、トラクターだけでなく、芝刈り機や草取り機などの自動運転化の開発も進められている。大規模化を進めたいが人手不足に悩む農業法人などにとっては朗報だが、いかにして農機の価格を抑えるかが課題。「卸売り」の役目を担う農協も含めた農業界全体の取り組みも必要となりそうだ。

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