犬に食べさせると中毒症状を起こす食べ物は、チョコレートやタマネギなどが有名だが、意外に知られていない食べ物がぶどう(レーズン)だ。
特にレーズンは、レーズンパンを犬が間違って食べる事故が起こりやすくアブナイ。つい最近、まさに愛犬が盗み食いをして発作を起こしたJ-CASTニュースの社員の体験談を紹介する。
チョコレート・タマネギ・キシリトール・アボガドも超危険
J-CASTニュースの社員Aさんが愛犬の「異変」に気づいたのは2017年7月24日の早朝6時前。目を覚ますと、枕元で愛犬マックスが「ハア~ハア~」と苦しそうにあえいでいた。マックスはチワワとミニチュアダックスのミックスの「チワックス」。9歳のオスだ。あえぎは収まらず、体をなでてあげると普段は喜ぶのに嫌がった。「熱中症?」を疑ったが、エアコンはつけたままだ。
ふと、テーブルの下の床にレーズンパンを入れていたビニール袋が落ちているのに気付いた。テーブルの上に置いたものだ。やんちゃ坊主のマックスは、よく床から椅子へ、椅子からテーブルへと、ポンポン上っていく。夜、Aさん一家が寝ている間にレーズンパンを盗み食いしたようだ。
Aさんは「犬に食べさせてはいけない物」に「ぶどう(レーズン)」が入っていることを思い出し、インターネットで調べると、案の定、「犬にぶどうを与えるのは絶対にやめましょう!」とあった。「どうしよう、まだ動物病院は開いていない」。マックスは「ハア~ハア~」苦しみながらも、自分からガブガブと2回、水を飲みに行き、1時間半後やっと症状が落ち着いた......。
ペットの損害保険アイペットが運営する愛犬情報サイト「ワンペディア」の「獣医師監修!犬に絶対与えてはいけない食べ物」では、危険な食べ物ワースト7の中に「ぶどう・レーズン」が入っている。ちなみに、それ以外の6つは「チョコレート」「タマネギ」「キシリトール」「マカダミアナッツ」「アボガド」「アルコール」だ。
「ぶどう・レーズン」については、「原因物質はまだわかっていません。中毒を起こすメカニズムも不明です。症状が出る摂取量は、ぶどうなら犬の体重1キロあたり19.6グラム。レーズンなら体重1キロあたり2.8グラムです」とある。ブドウを干して濃縮したレーズンは、果実のぶどうより、はるかに少量でも有害になる。ぶどうをそのまま犬に与える人はほとんどいないだろうが、レーズンパンなら間違って犬が食べる恐れは十分ある。
どれだけ与えると危険なのか。同サイトではこう説明する。
「3キロの小型犬の場合、レーズンを約14粒食べると症状がでます」
コンビニのレーズンパン1個で危険水域オーバー
マックスは5.7キロだから、約27粒で中毒症状が出るわけだ。パン好きの個人サイト「パンタスティック!」の中の「レーズンパンには、何粒のレーズンが入っているの? 実際に調べてみました」を見ると、各コンビニで売っているパンを1個ずつ数えた結果が出ている。セブンイレブンの「ふわふわレーズン」が29粒、ローソンの「塩バタレーズン」が41粒、ファミリーマートの「しっとりケーキレーズン」が24粒...という結果だった。小型犬の場合、コンビニのパン1個を誤って食べただけでも、非常に危険なのだ。マックスが食べたのは6個入り丸型レーズンパンのうち3個と思われる。小さいパンだったのが幸いしたようだ。
レーズンを食べたらどんな症状になるのか。「ワンペディア」ではこう説明する。「摂取後24時間以内に、吐く・食欲不振・下痢。急性腎不全を起こすこともあります。急性腎不全が重症化すると死に至る場合もあります」
そして、症状が出たら、すぐに動物病院に行くことを呼びかけている。
「飼い主さんが絶対に自分の判断で対処してはいけません。速やかに動物病院に連絡をしましょう。深夜などで連絡が取れない場合でも夜間病院があります。まず電話をすると最適な指示をしてくれるはずです」