医師は正確な診断を受けるよう勧める
検証した100人全員が誤診だったという驚きの事態はなぜ起きたのか。医師らは
「子ども特有の消化器の不快感や発疹などがちょうどペニシリンを投与したタイミングで確認され、医師や親が慎重を期してアレルギーと判断してしまうのではないか」
と推測している。子どもに限らず成人でも同様の傾向にある可能性もあるという。
研究は米国での事例だが、日本でも誤診や過剰診断は起きていないのだろうか。東京都内の総合病院に勤務する内科医はJ-CASTヘルスケアの取材に対し、「過剰診断が特別多いと感じたことはないが、まれに疑問を感じる例もある」とし、次のように話した。
「カルテ上はペニシリンアレルギーと書かれているのに、詳しい症状が未記入なので直接患者に確認すると、本人もいつ診断されたか覚えていないことがありました。念のため検査をするとアレルギーはなく、不安を覚えました」
自己診断は難しいうえに危険であり、この医師は処方された薬でアレルギーのような症状が出た場合、薬品名や服用日、症状を明記して処方した医師にアレルギーテストを頼んだ方が良いと指摘する。
「薬物アレルギーと診断されると、その後提供される治療に大きな影響を与えます。必ず正確な診断を受けてください」