エンタメ業界を悩ませる、チケットなどの高額転売や無断出品の問題が、陸上自衛隊の人気イベント「富士総合火力演習」(以下、総火演)にも降りかかっている。
2017年8月27日の開催が迫り、当選通知の発送が始まると、複数のウェブサイトにすぐさま出品され、7月末現在、中には6万円以上の値段が付けられる事態となっている。
16年の倍率は28倍
総火演は、毎年8月末に静岡県の東富士演習場で開催される国内最大の実弾演習で、戦車やヘリコプターによる迫力ある実弾射撃を間近で見学できるため人気が高い。陸上自衛隊の公式サイトによると、16年の入場者数は2万7000人で、倍率は約28倍だった。
人気イベントであることに加え無料で応募が可能なため、転売のターゲットにもなり、当選通知の送付が始まると、ヤフオク、チケットキャンプ、メルカリなどのサイトにも高額で出品される事態となっている。1万円前後での出品が多いが、17年7月28日夕現在、中には6万円を超える値段が付けられているものもある。
毎年の高い倍率に加え、営利目的での使用、オークション等への出品を禁止が応募ページに明記されていることもあり、ツイッターではこうした転売行為に対して厳しい非難の声が上がっている。
「転売ヤーのせいでここ数年異常な倍率 総火演を利用して転売ヤーが利ざや稼いでるのは絶対におかしいです」 「総火演の転売ヤーは通報する」 「当選ハガキ出品してる奴呪われろっ!!」 「転売屋を総火演の的にしようぜ」
また、通常のコンサートの入場の際に本人確認をするケースが増えていることから、これまで本人確認は不要だった総火演でも導入される可能性を指摘する声も上がっていた。