東大と「多浪」同士の対決も計画中
さらに、「現代版関ヶ原の戦い」なる企画も、現在進行中だという。
というのも、実は阪大だけでなく、東京大学にも同じような「多浪」ばかりのサークル「東大多浪交流会」が、ほぼ同時期に立ちあがっている。400年前の関ヶ原で「西軍」が負けた雪辱を晴らすべく、東の多浪に、西の多浪が挑む対決を行うというのだ。
「七帝戦にも負け(※編注:2016年の七帝戦は東大が優勝)、学力でも負け、残るは多浪しかない。連絡を取ったところ東大もヤル気のようですので、こちらも浪人を十分に用意したいと思います。戦いの内容はスポーツチャンバラやドッジボールを考えています」
さらにこの対決を通じて、全国の多浪をつなげ、「多浪が住みやすい世の中」を目指す連合組織「浪団連」の発足も視野に入れているという。野望はどこまでも広がる。
とはいえ、世間では浪人、ましてや「多浪」ともなると、マイナスイメージを持つ人も少なくないのが現実だ。最後に、こうした現状を踏まえて「多浪」への思いを尋ねたところ、こんな熱い長文が返ってきた。
「多浪の数だけ人生があります。純粋な志を貫いた者、大学をやり直した者、フリーターから一念発起した者などその内容は様々です。ただ一つ皆に共通して言えることは、多浪期間に自分自身と真摯に向き合って来たということです。世の中には多浪、多浪ならざる者の2種類の人間が存在しますが、私たち多浪は深い内省の上に立つという意味で、一線を画しているのです。浪数を重ねた者を敬う文化もここから来ています。私たちを多浪原理主義者だと蔑むものもあるでしょう。しかし内省を重ねに重ねた私たちにとって、多浪を、そして自分自身を誇る気持ちは揺るがないのです」