どこの大学にも、だいたい一つは変わったサークルがある。関西の名門・大阪大学に存在するこのサークルはしかし、その中でも珍しい部類だろう。
その名も、「大阪大学多浪の会」。名前の通り、メンバーはみな浪人経験者、それも2浪以上している人たちばかりだ。いったいどんな活動をしているのだろうか。2017年4月に結成されたばかりのこのサークルに、話を聞いてみることにした。
「バラエティーに富んだ多浪が在籍しています」
「現在14浪、6浪、4浪が各1名、3浪が5名、2浪が18名の計75浪となっております。うち、女性は5名です。構成メンバーの所属学部も様々で文系も理系もおり、また学年も年齢もそれぞれです。構成員は純粋に浪人を重ねた多浪から、再受験を経た多浪、編入を経た多浪、フリーターを経た多浪までバラエティーに富んだ多浪が在籍しております」
ツイッターのDM(ダイレクトメッセージ)を通じたJ-CASTニュースの取材に、「多浪の会」はこう自己紹介する。
代表を務めるのは、理学部に在籍する男子学生(3浪)だ。自分と同じ「多浪」の学生たちは、「どのような精神で浪人を乗り越え」入学を果たしたのか。そして多浪たちが集まれば、どんなグループができるのか。そうした関心が、サークル立ち上げのきっかけだった。
文部科学省の「学校基本調査」によれば、2016年度の大学入学者のうち、18歳は78.7%、19歳は16.2%と、合わせて95%近くを占めるのに対し、20歳は2.6%、21歳ともなると0.8%まで割合が下がる。「多浪は学内ではマイノリティー」だと代表が言うのも決して誇張ではない。自分の年齢を言い出せない、また年下の同級生たちとうまくコミュニケーションを取れない、などの悩みを抱える人もいるといい、その「居場所」を作りたい、というのもサークル創設の動機だったという。
現在の活動は、飲み会・懇親会などがメインで、「酒(全メンバー合法が良いところです)を片手に、各々の浪人体験や浪人あるあるなどを語り盛り上がっています」。ツイッターでもこうした活動を写真付きで投稿しており、上述の「14浪」メンバーの加入を報告したつぶやきは、4000回以上もRTされ、会への注目を高めた。
「また、日本中の多浪が心配している、就活に不利なのではないかという懸念を払拭するために、多浪のための、多浪による多浪の就活情報データを作りたいと思っています」