ヒアリで注目される外来生物の侵略 日本の在来種も海外で大迷惑に

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タヌキはスウェーデンで駆除対象、やぶ蚊は北米へ

   日本の在来種が海外で広がったケースはあるのか。2017年7月21日、共同通信はスイス南部ティチーノ州当局が、日本のコガネムシ「マメコガネ」の侵入を初めて確認したと報じた。繁殖した場合、農業に大きな被害を与えがあるとして、駆除を徹底するという。

   なかにはカブトムシやワカメのように、日本では「人気者」だが海外では邪魔者扱いされているものもある。日本ではみそ汁の具や海藻サラダの定番で、「体に良い食べ物」とされるワカメだが、欧米など海外では食べる習慣がない。船舶を通じて広がったワカメは繁殖力が強く、養殖場を荒らす厄介な存在として嫌われているようだ。

   健康被害をもたらす恐れがある種もある。代表格がヒトスジシマカだ。日本では一般に「やぶ蚊」として知られる。東アジアから北米へと生息域が拡大した。デング熱やジカ熱といった感染症を媒介する。

   タヌキも、東アジア原産だが欧州に広がった。2017年5月7日付の英BBCニュース電子版は、北欧スウェーデンでタヌキの駆除をしているハンターを取り上げた。現地の生態系を脅かすタヌキの「掃討作戦」は、10年前から始まっているという。

   日本獣医学会のサイトでは、野生のタヌキは住む森を失い人間社会に密に集まった結果、イヌジステンパーや疥癬(かいせん)症が発生したと報告されている。千葉県獣医師会のサイトでも、タヌキが疥癬の感染源になり得る動物として挙げられている。これまでに動物から人間に疥癬が感染した例はないようだが、危険性は否定できないとのことだ。

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