ヒアリで注目される外来生物の侵略 日本の在来種も海外で大迷惑に

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   日本各地で、ヒアリの目撃情報が毎日のように寄せられている。2017年7月25日には、新たに福岡市の博多港や大分県中津市で見つかったと報じられた。

   もともと日本にいなかったのに、海外から何らかの形で入ってきて日本で繁殖した外来種は多い。中には人間に危害を加える生物もいる。だが逆に、日本の在来種が海外で広がったケースもあるのだ。

  • 東アジア原産のタヌキが、北欧へ(写真と本文は関係ありません)
    東アジア原産のタヌキが、北欧へ(写真と本文は関係ありません)
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日本の野外に生息する外国起源の生物は2000種

   ヒアリは元々、南米が生息地だった。だが北米にオーストラリア、そして中国や台湾とアジアにも広がり、2017年に入ってとうとう日本でも「侵入」が始まったのではないかと懸念されている。強い毒を持ち、刺されるとアナフィラキシーショックで最悪の場合死に至る恐れがあるのが、最も怖い。

   環境省のウェブサイトによると、日本の野外に生息する外国起源の生物の数は、わかっているだけでも約2000種に上る。このうち、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるものを「侵略的外来種」と定義している。同省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に記載されている数は、動植物合わせて200種を超える。

   日本の固有種を駆逐してのさばるのも困るが、動物の場合は農作物を食い荒らして経済的な損失が出るのが心配だ。さらに、病原菌を媒介して健康被害をもたらす恐れもある。例えば近年、都市部に生息域を広げているアライグマ。見かけと違って凶暴で、ペットにしにくい。繁殖力が強く、野生化して人家に住み着き、ウェブサイトで注意喚起を出す自治体が少なくない。また国立感染症研究所のサイトによると、北米原産のアライグマには「アライグマ回虫」がおり、人間が誤ってその卵を体内に入れると致死的な中枢神経障害の原因となる。環境省は、国内の野生化したアライグマからこれまでにアライグマ回虫は検出されていないとするが、今後については心配が残る。

   ドブネズミも、実は外来種のひとつだ。環境省によると、ツツガムシの主要宿主だという。キタリスは、「ペスト等感染症や、ダニによる回帰熱の媒介」が指摘されている。

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