民進党の蓮舫代表が2017年7月27日に記者会見し、辞意を表明した。森友学園や加計学園をめぐる問題で安倍内閣の支持率が急落するなか、民進党の支持率は上がらずに都議選では惨敗。「蓮舫おろし」が激化し、離党や解党論が収まらない中での辞意表明となった。
蓮舫氏は、自らの求心力が低下するどころではなく「遠心力を働かせてしまった」ことが辞意を固めるきっかけになったと繰り返し、民進党が反安倍政権の受け皿になれていないことについて「ひとえに私の足らざる部分」と陳謝した。
7月26日に辞意固める
蓮舫氏は16年9月に代表に就任。今回の会見に先立って行われた執行役員会で辞意を表明し、了承された。就任10か月での辞任となった。2017年7月25日に開かれた両院議員懇談会で野田佳彦幹事長が辞意を表明する一方で、蓮舫氏は次期衆院選で東京都内の小選挙区からの鞍替え出馬を明言。代表続投の意向を示していた。わずか2日での方向転換となった。
蓮舫氏は会見冒頭で「民進党の代表を退く決断をしました」と述べ、26日は1日かけて人事や「どうすれば遠心力を求心力に変えることができるのか」などを考えたが、
「人事ではなく、私自身を見つめ直さなければならない」
との考えに至り、
「足りないところ、なぜ遠心力を生んでしまったのか」
を見つめ直すとして辞意を固めたとした。
都議選の結果は「ひとつのきっかけだが、直接の原因ではない」としたものの、
「今回、丁寧に党内の仲間の声に耳を傾けて、色々な声を受け止めながら、私は代表になってから、ちゃんとみんなの声に向き合ってきたのだろうか、その反省の部分、自分に足らざる部分に気づいたことも大きい」
「遠心力を働かせてしまった。それを求心力にどうやったら持って行けるんだろうか、という部分で、色々考えた結果(辞意を固めた)」
などと発言。「遠心力」という言葉を繰り返した。
衆院くら替えも白紙に
実際、7月25日には原口一博衆院議員(元総務相)が、「野田幹事長だけが辞めて済む話なのか」「5年間まったく同じようなメンバーでやっている。そこに大きな問題がある」と執行部の刷新を求め、桜井充参院議員は、離党も含めて「仲間といろいろ話をしたい」と述べるなど、「遠心力」は相当なものだった。こうした声にあらがうことが出来なくなった末の辞任劇だった。日本国籍と台湾籍をめぐる「二重国籍」問題の影響は否定した。
次期執行部の人事には「着手していない」といい、後任についても「速やかに代表戦に入っていただきたい」などと述べるにとどめた。衆院くら替えの件も、
「このことを含めて、一度立ち止まる。一度立ち止まって、もう一度考える」
と白紙に戻す考えだ。