学校法人「森友学園」(大阪市)の前理事長、籠池泰典氏(64)と妻の諄子(じゅんこ)氏が2017年7月27日午後、求めに応じて大阪地検特捜部に出頭した。学園が補助金を不正受給したとされる事件で、特捜部が補助金適正化法違反などの疑いで事情聴取を始めた模様だ。
籠池氏は出頭前、大阪府豊中市の自宅前で車に乗り込む直前、報道陣の取材に対し、「今日はロッキード(事件)の田中角栄さんが逮捕された日ですね」などと述べた。これに先立つ個別取材では、「国策捜査なんでしょうね」と、従来の主張を繰り返していた。
「そういう風な縁のある日に、私は出向いていく事になりますけど」
27日正午ごろ、自宅から出てきた籠池氏は、白い半そでシャツをやや折りこみ、ボタンを胸の一番上まで留め、柄入りのグレーっぽいネクタイを締めていた。記者から現在の「気持ちと考え」を聞かれると、
「なるほど」と応じた上で、
「今日はロッキード(事件)の田中角栄さんが逮捕された日ですね。東京(地検)特捜(部)に」
と、1976年7月27日、田中角栄・前首相(当時)が外為法違反の疑いで逮捕された、「戦後最大の疑獄事件」と言われたロッキード事件を引き合いに出した。さらに、籠池氏は時折、報道陣を見回すように顔を左右に振りながら
「そういう風な縁のある日に、私は出向いていく事になりますけど、きちっと一点の曇りもなく、説明できるものは説明していきたいと思ってます」
と話した。言い終わると、「はい」とうなずき、「はい」「はい」と続けながら、車の後部座席へ乗り込んだ。記者からは、この日の聴取のまま逮捕される可能性に関する質問も飛んだが、反応はなかった。この間、20~30秒程度のやりとりだった。