ダウンタウンの松本人志さんが2017年7月26日放送のTBS系バラエティー番組「水曜日のダウンタウン」の中で、「BPOから逃れたい」と本音をこぼす場面があった。
同番組をめぐっては16年3月、水戸市がBPO(放送倫理・番組向上機構)に意見書を提出。結果的に審議入りは見送られたものの、松本さんなりに意識しているようだ。
松本さん、やや強引に「本当は優しい企画」
26日の番組では「親切でおぶってあげたババアからのチョークスリーパー不可避説」を検証する企画が放送された。
ターゲットは、偽の人助け企画で呼び出されたお笑い芸人たち。彼らがそのロケ中に足を痛めたおばあさんに遭遇し、親切におんぶしたところで後ろからチョークスリーパー(絞め技の一種)をお見舞いされる...という流れだ。結果、マテンロウのアントニーさん、ジャングルポケットの斉藤慎二さん、オードリーの春日俊彰さんが次々と餌食になり、「不可避」であることが確認された。
スタジオは終始爆笑だったが、VTR後、松本さんは開口一番に
「これは本当は優しい企画やと僕は思いましたけどね。自分を殺そうとしているババアを落とさないように頑張る若者...っていうね」
とコメント。不可避説をプレゼンした「銀シャリ」の2人もこの視点は持ち合わせていなかったようで、「社会派な感じの?」「奥深いんですね」と驚いた表情をみせた。
だが、松本さんのやや無理やりな「社会派アピール」にはワケがあった。直後、松本さんは
「なんとかこれを言うことで、BPOから逃れたいなって」
と付け加え、笑いを誘った。
BPO問題の一方でギャラクシー賞も
同番組をめぐっては16年3月、水戸黄門の印籠に関する16年2月の放送内容を問題視した水戸市がBPOに意見書を提出している。結局、審議の対象にはならなかったが、TBSの武田信二社長はその後の定例会見で水戸市に謝罪した。
それから間もない16年6月には、同番組がツイッターを活用して行っていた「クロちゃん救出企画」がインターネット上で物議を醸し、番組側が中止を決定、謝罪する出来事もあった。こちらは「BPO案件」にこそならなかったものの、企画時点で心配する声も多々上がっていた。
ただその一方、同番組は2015年7月、2017年6月の2度にわたり「ギャラクシー賞」の月間賞を受賞している。ギャラクシー賞は放送批評懇談会が優れた番組などを顕彰するもの。特に、賞をとった17年6月の「先生のモノマネ、プロがやったら死ぬほど子供にウケる説」はインターネット上にも「神回」として絶賛する声が数多く寄せられていた。