前立腺がん予防には毎日大ビン17本飲まないと...
キサントフモールとは、ビールの原料になるポップに含まれているポリフェノール(抗酸化力のある植物由来成分)で、多くの健康効果が知られている。2006年に米オレゴン州立大学が、キサントフモールには前立腺がんの予防効果があると発表した。ただし、マウスに粉末を与えて効果があった量をビールに換算すると、1日に大ビン17本を飲む必要があった。
2012年には北海道大学が、キサントフモールには悪玉コレステロール減らして善玉コレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化の予防効果があると発表した。こちらは普通の量でもOKだったが、研究チームの千葉仁志教授は、同大のウェブサイト「いいね!Hokudai」(2013年3月6日付)の中でこう警告している。「ビールの飲みすぎはコレステロール値を高めるのでオススメできません。キサントフモールをサプリ飲料などの形で摂取することを勧めたい」。
2015年には中国蘭州大学の研究チームが、キサントフモールには認知症のアルツハイマー病を予防する効果があると発表している。いずれにしろ、左党を喜ばせる結果だ。
さて、骨髄異形成症候群の研究に話を戻すと、喫煙習慣のある人はリスクが高まった。タバコを吸わない人の発症リスクを「1」とすると、吸っている人のリスクは約2倍の「2.11」になった。研究チームは「喫煙にはもともと多くのがんや疾病の発症リスクがある」と指摘している。せっかくビールを飲んでも、タバコを吸いながらでは元も子もなくなるということだ。