アレルギー性ぜんそくの約2割はチャタテムシが原因か
チャタテムシは日本全国に約100種類いる。国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構)のサイトには、その一種「ヒラタチャタテ」について2011年の研究論文を引用し、「日本のアレルギー性ぜんそくの大人の患者185人のうち22%がヒラタチャタテに対するIgE抗体を持っていました」と説明している。IgE抗体とは、アレルギー反応に関係する抗体を指す。これは、日本人でアレルギー性ぜんそくを抱える人のおよそ2割は、ヒラタチャタテがアレルゲンになっている可能性を示している。
本来手術室はクリーンな環境であるべきで、患者の健康に害を与えるかもしれないチャタテムシ駆除、消毒のため一時的な手術中止はやむを得なかったのだろう。
ただし農研機構のサイトでは、チャタテムシが1匹もいない環境を作る必要はないとしている。確かに「室内にチャタテムシが大量に発生すれば、死骸等が大量に空気中に漂い、長期間大量に吸っていれば、その抗体が体内で増えて、アレルギー反応を起こすかもしれません」。そこで大繁殖させないために、室内を湿度60%以下に抑える、死骸を除去するために掃除を徹底する、といった日々の対策を怠らないことが大事だ。