水以外の飲料は水分補給源になる
IOMは飲料の種類で水分補給に差が出るのかどうかも検証している。健康な成人男性27人を対象に異なる2パターンの水分補給を行ってもらい、それぞれの尿量や体内塩分濃度、腎臓機能、水分量(推計)などを比較するというもの。
まず1日に飲料から摂取する水分(2~3リットル)の3分の1を水、3分の2をジュース、コーヒー、清涼飲料水という割合にした状態で3日間過ごす。その後、普通の水は摂取せずジュース、コーヒー、清涼飲料水のみで同じ水分量を摂取し3日間過ごすという実験も行い結果を比較したが、数値に差はなかった。
つまり、カフェイン含有飲料も含め飲料の種類で水分補給量に差はなく、水分補給が水でなければいけないわけではないのだ。ちなみにアルコールは検証対象外とされており、水分補給源と見なされていない。
気になる1日の総水分摂取量だが、IOMは「状況次第」として明確に数値は定めていない。ガイドラインが「穏やかな気候に住む、健康で身体活動量が極端に多くない人たちに対するもの」で、アスリートや高温低温地域や標高の高い場所では水分補給量が高くなるためだ。
厚生労働省が推進する「健康のため水を飲もう運動」では1日1.2リットルが平均値として提示されている。