価値観の変化
そもそも、官民でイベントを作りさえすれば消費が上向くという考えが甘い、という指摘も根強い。「消費低迷の大きな原因は、将来不安による節約志向であり、小手先の催しで消費が上向くはずがない」とあるエコノミストは話す。実際、リクルートグループの「ホットペッパーグルメ外食総研」が4月にインターネットで行ったアンケート調査(有効回答約1万人)によれば、プレミアムフライデーで何を行ったかについては、7割強が「特に普段と異なる消費行動はしていない」と答えた。
バブル期のように、お金や物をたくさんためて豊かになろうという価値観そのものが変わってきている、という見方もある。別のエコノミストは「今は、不要な物はできるだけ減らす『断舎利』が広がる世の中だ。すでに、必要な物は身の回りにあふれているという人も多く、物を買うという行動自体が変化していると気付かなければいけないのではないか」と話す。
プレミアムフライデーの先細りは、今の日本で消費を上向かせることの難しさを改めて示しているといえそうだ。