「睡眠不足は早死にする」に反論
説明会とは別の日、堀氏を直接取材した際に、ある一日の生活を聞いた。
深夜2時半。仕事を終えて自宅に帰り、息子(10か月)と遊ぶ。朝6時半、息子を寝かしつけ、自分も入眠。7時半に出社。執筆やスタッフへの指示出し。11時半~14時、来客を迎え、ランチを取りつつ打ち合わせ。14時半からミーティング。16時から著書の執筆。18時~19時半に筋トレ。休憩・談話ののち、21時から喫茶店で仕事。23時にオフィスに戻り、スタッフへの指導。0時にすき家で食事、その後帰宅。深夜1時半、再び食事を取り、2時から息子と遊ぶ――。
あくまで本人の話とはいえ、この日は30分しか眠っていない計算になる。
堀氏は25歳のとき、7年間の「研究」の末に、独学で自らの「短眠メソッド」を発明し、以来「45分睡眠」生活を続けているという。自身認める通り、専門の教育を受けた経験はなく、今のところ具体的な調査データなどはまとまっていない。「通説」とは正反対の説も多い。
たとえば、寝ないと疲れが取れないように思いますけれども......?
「皆さん、『睡眠をとらないと大変なことになる』と怯えすぎなんです。睡眠についてよく知らないのに、睡眠に頼る。それよりも起きている間に、ちゃんと運動をするとか、疲労を取るストレッチをするとか、1時間でも多く働いて健康にいい食事をとるとかする方がいいんじゃないですか?」
でも、睡眠不足は「早死」にする、とも言いますが......。
「でも、世界でトップクラスに睡眠時間が短い日本は、同時にトップクラスの長寿国ですよね? 専門家は、『食事や医療、法律など別の要素があるから』と言いますが、じゃあ睡眠は寿命にあまり関係ないということになりませんか?」