霞ヶ関人事は玉虫色? 朝日「にじむ『安倍カラー』」、読売「官邸色薄く」

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   中央省庁の主要な幹部人事が決まった。森友学園問題で国有地払下げにかかわる文書の廃棄、加計学園の獣医学部新設問題での首相官邸の「指示」を含め、官僚の政権への「忖度」がかつてなく問題になる中だった。どんな人事だったのか、そして、その評価は?

   省庁幹部人事は、大半は各省の年次、評価に従って順当に行われ、その中で、思わぬ抜擢や女性・若手の登用、逆に更迭や異例の留任などがあって、毎年、それなりに話題になる。

  • 中央省庁の幹部人事が出そろった(画像はイメージです)
    中央省庁の幹部人事が出そろった(画像はイメージです)
  • 中央省庁の幹部人事が出そろった(画像はイメージです)

加計、森友問題の影響

   だが、今年2017年は文部科学省の前川喜平・前事務次官が獣医学部新設問題で加計学園への決定過程の不明朗さを指摘して政権と真っ向対立する異例の事態の中での人事だけに、一連の問題への対応でのプラス・マイナス、安倍首相や内閣を仕切る菅義偉官房長官との距離感などを含め、注目を集める人事が多かった。

   一番話題になったのは財務省の佐川宣寿氏が理財局長から国税庁長官に昇格したことだろう。森友問題で事実確認や記録の提出を拒み続け、安倍晋三首相、昭恵夫人を守り通した「論功行賞」との批判が野党はもちろん、与党内にも疑問視する声があり、国税庁にも苦情電話が多くあったという。ただ、「国有地売却は前任者の時代の話で、佐川氏自身が関わったわけではない。記録も、佐川氏が廃棄したわけでなく、巡り合わせで矢面に立っただけ」(財務省OB)との同情論がある。

   加計学園では、内閣府の国家戦略特区担当審議官として、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと発言したとの記録が文科省で見つかった藤原豊氏が、出身の経済産業省に戻った。経産大臣官房付との兼務だったが、審議官を解かれた。今後の具体的な任務は不明だが、経産省がいう「予定されていた人事」とは別の、急に決まった人事の可能性が高いと受け止められている。

   一方、「前川の乱」で注目された文科省は、戸谷一夫次官、小松親次郎文科審議官は留任し、外部人材が主要な幹部に就くような人事もなく、「無風」だった。

   また、菅官房長官との距離で話題になった人事もあった。財務省の官房長に就いた矢野康治氏は、菅長官の秘書官を務めた人物。官房長は、他省庁との折衝や省内の人事の責任者となる重要なポストで、財務省では福田淳一新次官まで11代連続で次官になっているが、矢野氏は省内の主税畑。「本流」の主計畑の中江元哉首相秘書官との次官争いのライバルに急浮上したとの見方も出ている。金融庁の森信親長官が留任して異例の長官3年目に突入したが、森氏も菅官房長官の信任が厚いといわれる。内閣府では菅長官に近いとされる河内隆氏が官房長から次官に昇格した。

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