京産大の提案書→21頁、加計側→2頁 なぜ加計側に軍配が上がったのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

今治と京都との「熟度」に差はないはず

   この疑惑の本質は、今治市・加計学園と競合した京都府・京都産業大学の獣医学部構想との比較検討が公正に行われたかだ。国家戦略特区諮問会議やワーキンググループ(WG)などの議事要旨や配布資料などの一次情報には、まだ疑問点が残されている。

   5日付東京新聞の朝刊に気になる記事が掲載されていた。国家戦略特区を担当する山本幸三地方創生担当相が記者会見で、加計学園と京産大の獣医学部構想を比較検討したうえで加計学園を選んだ根拠を語っているという。早速、政府インターネットテレビにアップされている記者会見の模様を視聴してみた。

   山本大臣は、「認定は1校に限る」ことを決めた後の昨年12月下旬から年始にかけ、両者の提案内容を、早期実現を図るうえで(1)専任教員の確保の状況、(2)地元への就職を勧誘する奨学金など地方自治体との連携、(3)(鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症の)水際対策の実現―の3点を挙げている。そのうえで「京都府(の提案)よりも、07年から長きにわたり検討を重ねてきた今治市の提案の方が熟度が高いと判断した」と説明している。

   京産大も加計学園とほぼ同じころから、獣医学部設置を文科省に働きかけていたわけだから、「熟度」に、そんな差があるとは思えない。水際対策でも、京産大は鳥インフルエンザ研究センターを設置していて、これまで日本での鳥インフルエンザウイルス蔓延を阻止した功労者でもある、いわば専門集団だ。

   比較検討過程の議論の記録の存在を尋ねられた山本大臣は「内部の打ち合わせなので記録は取っていない」と否定したうえで、「両地区(今治市と京都府)の提案書がすでにあるわけで、それをもとに議論した」と説明している。

   山本大臣の言う提案書を探すために、過去の諮問会議や地域会議、WGなどの議事録要旨に目を通してみた。

姉妹サイト