年代による意識の差、業界による違い
企業研修事業を手がけるスマートコミュニケーションズ(本社・東京都渋谷区)代表取締役でビジネスマナー講師の篠原あかね氏は、J-CASTニュースの20日の取材に「企業の人事担当の方から『くるぶしを出す社員がおり、違和感があるがどうなのか』との相談をここ最近受けます」と話す。許容すべきか否かを判断しかねているそうだ。
「40代以上くらいの管理職を務める年齢層の方々からすると、サラリーマンの身だしなみの常識からは外れた服装だと捉えられるのだと思います。一方、若年層はクールビズが始まる以前のことは知らず、夏場は軽装になるのが当たり前、という感覚。くるぶし出しも違和感がないという方が多いのではないでしょうか。そうした世代間での受け入れの意識の差はあると思います」
業界にもよるという。女性に比べて男性のビジネスファッションの型は「スーツに革靴」が基本で固定的。足元は不快感を与えないようすね毛が見えないようにするのが基本とされているという。そこで、たとえば銀行や保険など従業員が1対1で客の信用を得られるかどうかが重要な業界では「お客からのクレームになりそうな服装は避ける傾向にあります。クールビズとは言え、くるぶしを出すと『カジュアル過ぎる』と印象を持たれ、信用を失いかねません」と篠原氏は言う。
篠原氏は現状として「くるぶし出しがありかなしか、一概には言えません。ですが、かっちりと服装規定が決まっている職場はもとより、オフィスカジュアルを基本とする職場でも当たり前に認められるところは、まだ多くないと思います。『オシャレは自分のため、身だしなみは相手のため』です。ビジネスの場では周りの人にどのような印象を持たれるか考えるのが重要です。年配の方を相手に仕事をする場合は避けた方がいいかもしれません」としている。
ただ、「アパレルメーカーがトレンドとしてプッシュし続けるとか、着ていても特段注意されない職場が増えるとか、そういった状況が続けば、数年後にはクールビズの1つとして当たり前になるかもしれません」と展望していた。