家族に患者のいる人や糖尿病の人は要注意
その結果、すい臓がんが進行するすべての過程で、タンパク質「トロンボスポンジン2」(THBS2)が共通して現れることを発見した。そして「THBS2」と、従来からすい臓がんの後期の段階で現れることが知られているタンパク質「CA19-9」(シーエーナインティナイン)を組み合わせて「バイオマーカー」(生体指標)として使うと、あらゆる段階のすい臓がんを一貫して正確に特定することができたという
同大学再生医学研究所のケン・ザレット所長は、プレスリリースの中でこうコメントしている。
「私たちが開発したバイオマーカーは、従来のどのマーカーより優れた成果を上げました。特に、すい臓がんの早期段階での成績がよく、すい臓がんの前段階のすい炎と初期のすい臓がんを区別する能力を改善することができました。今後、さらに精度を上げる研究を進めますが、現段階でも十分実用化は可能であると考えています。すい臓がんのリスクが高い人々、たとえば家族にすい臓がんの患者がいる人、すい臓がんに遺伝的にかかりやすい人、また50歳を過ぎて突然糖尿病を発症した人は、ぜひこの早期発見バイオマーカーでチェックしてほしいと思います」