テニスのグランドスラム(4大大会)の1つ、ウィンブルドン選手権の試合で八百長疑惑が浮上し、関係機関が調査に乗り出すことになった。不審な賭博が行われた可能性があるという。
テニス選手の不祥事をめぐっては日本の三橋淳(28)が永久追放の処分を受けたばかり。テニス界では不正への引き締めが強まっている。
ウィンブルドン3試合、全仏1試合
AFP通信の2017年7月21日の報道によると、テニスの不正防止機関「テニス・インテグリティ・ユニット」が20日、同年のウィンブルドン予選2試合と本戦1試合、さらに全仏オープン1試合でも八百長の調査を始めると公表した。
ただ、賭け金額に不自然な動きがあったものの、選手の負傷の状態など不正でないさまざまな要因が絡んでいる可能性もあるという。TIUは賭けの運営会社や規制当局から情報を得て慎重に調査を進める。
同日の英紙「ザ・サン」では、英国の元プロテニス選手で世界ランク最高4位のティム・ヘンマンがコメント。「もし八百長に関わった選手が見つかれば、厳しく罰せられるべきだ。出場資格を場合によっては永久に停止するのも重要だ。不正をはたらくと罰せられると人々に理解してもらう必要がある」と、TIUの厳正な調査を望んだ。
三橋淳が22万円で敗退行為持ちかけ
17年はTIUによって厳罰を受けた選手がいる。三橋淳には、罰金5万ドル(約550万円)とともに永久追放の処分が5月16日に発表された。三橋は15年11月の南アフリカでの大会で、自身がコーチについていた選手を通じ、他の選手にシングルスは2000ドル(約22万円)、ダブルスは600ドル(約6万6000円)で敗退行為をするよう持ちかけたなど、複数の八百長行為がTIUの調査で発覚した。
コンスタンティノス・ミコス(ギリシャ)は13年11月のギリシャでの大会で、相手選手に金銭を払って指定したセットを落とさせるよう持ちかけていたとして、TIUは5月4日に同選手の永久追放を発表した。
テニス界では近年、不正防止に注力している。17年1月以降、TIUではテニスの大会における八百長疑惑が83件報告されたという。
5月20日付スポーツメディア「THE ANSWER」では、プロテニス選手の綿貫敬介(23)が、「去年ぐらいから本格的になった印象があります」と話し、TIUが制作した「八百長撲滅の教育ムービー」を毎年見なければ選手登録の更新ができないようになっていると明かしている。