インフルエンザは、低温で乾燥した真冬に流行する病気と考えがちだ。では真夏なら心配ないか、といえば決してそうではない。
沖縄県那覇市の保健所管内では、インフルエンザの流行により一部学校で学級閉鎖となった。東京都内でも、夏真っ盛りの今の時期に感染報告がある。
40度の高熱、のどの痛み、吐き気に苦しめられる
「インフルエンザだったとは...信じられない思いでした」
こう話すのは、東京都内に住むJ-CASTニュース編集部の20代男性記者。経緯は次の通りだ。
体調がすぐれないと感じたのは、2017年6月30日。日中から激しくせき込んだが、通常通り業務を終えた後で食事に出かけ、帰宅したのは深夜だった。ちょうどその時期に、寝具を薄い掛け布団に替えたうえ、寝ている間にその布団を無意識にはねのけていたので「寝冷えかな」と考えたという。
7月1日は土曜日で、自宅で休息を取ったが夜になって発熱、測ると39度まで上がっていた。翌日は休日出勤の予定だったため体調回復に努めたものの、2日朝の時点で熱は40度に上昇。文字通り「這うように」出社し、上司に事情を説明したところ「すぐに病院に行くように」と指示された。
日曜日でも開業しているクリニックを訪ね、問診で医師に状況を説明すると「この時期なのでめったにありませんが、いちおうインフルエンザの検査をしましょう」となった。結果は陽性、「A型」の判定だった。服用薬を処方され、帰宅。以後は当面、欠勤となった。
高熱やのどの痛み、悪寒に加えて頭痛と吐き気の症状に苦しめられた。7月5日までは熱が38度を下回らず、飲食もままならない。やっと回復を実感したのは7日、症状を自覚してから1週間が経過していた。
本人は、診断結果が出るまでインフルエンザに感染しているとは想像もしなかったという。もちろん7月は、東京都内では流行時期ではない。それでも例年、感染者はゼロでないのも事実だ。
東京都感染症情報センターの7月19日時点でのデータを見ると、第28週(7月10日~16日)の都内のインフルエンザ罹患(りかん)者の報告数は、男女あわせて29人となっている。無論ピーク時に比べればずっと少ないが、手洗いやうがいといった予防をしておいて、損はないだろう。