メディアの種別分けを子供に押し付ける意味はない
この発表にはネット上で異論の声があがり、
「テレビの話は本当のことが多いってwwwwwwwwwwwww」
「ギャグだろ? 本気で言ってんのか?博報堂が」
「子供なんて、そんなものだよ。テレビや新聞が嘘をつくという発想はなかなか持てないよ」
などといった事が掲示板に書き込まれ、「陰謀説」まで飛び出した。一方で、
「ネットが工作だらけになったからな。ネットvsテレビで、ネットが正義の構図は、10年前の話」
「今の子どもにとってはネットは信用できないのは当然だよ 。裏でコソコソ悪口言い合うツールなんだから」
という意見も出た。
ITジャーナリストの井上トシユキさんに20日に話を聞いたところ、ネット民がこの調査結果に反発する気持ちは分かるが、テレビにとってネットの信頼度が下がることは歓迎できることではない。ネットの口コミでテレビ番組の評判が上がる、といったPR手段を失うことになるため「陰謀」などはない、と否定した。実は井上さん、17年初頭に小学5年生のネットに関する特別授業を受け持っている。そこで分かったのは、学校や親がネットリテラシー教育を熱心に行っていること。そして生徒はネット上のデマや嘘が身近にあることを知っていた。
テレビに関しては、親は地上波のバラエティー番組ではなく、BS、CS放送のニュースや討論番組、時事解説番組を見せている。
「テレビは真面目だなぁ、という印象が子供に付いている。テレビは地上波、ネットは玉石混交と言われたイメージとは違う立ち位置にいるんです」
と井上さんは語った。そして今回の調査結果については、テレビがいいのかネットがいいのか、そうした判断の中で、
「極端に数字が振れることになってしまった」
と分析している。そして高校生になれば、ネットとテレビの利用の仕方が分かってくる、とも。
「彼らはデジタルネイティブなわけで、リテラシーは自然に付いてくると思います。だからテレビは本当の事が多いとか、ネットはダメだとか、そうしたメディアの種別分けを子供に押し付ける意味はないのです」
と井上さんは話している。