罰金50万円以下の危険冒し喫煙 「航空機内トイレで」、今も年100件超

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   国土交通省によれば、国内の航空会社旅客機のトイレ内で、たばこを吸う行為が105件、2016年1年間に確認された。同省はこうした行為により火災や重大な事故が起きるおそれがあるため絶対にやめるよう呼びかけている。

   そうしたなかネット上では、かつては航空機内での喫煙が認められていた、との指摘が出て「昔の飛行機って危険だったの?」といった疑問まで出ることになった。

  • 旅客機のトイレで喫煙してはいけません(写真はイメージ)
    旅客機のトイレで喫煙してはいけません(写真はイメージ)
  • 旅客機のトイレで喫煙してはいけません(写真はイメージ)

国内航空会社、1999年から禁止

   同省の「航空機内における安全阻害行為等報告件数」資料によれば、トイレ内での喫煙報告件数は04年に291件、05年に250件と次第に減少し、12年は95件と減ったが13年から100件を超えるようになり16年は105件あった。これは同省が国内の航空会社10社を対象に調査したもの。これをNHKが17年7月16日に報道すると、掲示板などで疑問の声があがることになった。それは、

「トイレで煙草吸っただけで火災や重大な事故につながるおそれがあるって大げさすぎじゃね? 」
「何が悪いのかわからん。燃えるものない上に吸殻は水に流すよ? それで火事になるとか航空会社の安全管理どーなってんのw」
「昔はみんなタバコOKだったわけだけど、昔の飛行機って危険だったの?」

といったものだ。国内の航空会社は1999年から機内の禁煙を禁止し、04年1月15日からは航空法第73条、航空法第150条を適用し、トイレ内での喫煙を「安全阻害行為」とし、禁止命令の対象とした。従わない場合、50万円以下の罰金が科せられる。

   どうしてトイレ内での喫煙に法律が適用され処罰が科せられるのか、J-CASTニュースは17年7月18日、同省の航空局に取材した。

わざわざトイレに行って吸う人はいなかった

   担当者によれば、トイレ内で喫煙があった場合、その吸殻がトイレ内のゴミ箱に捨てられる事が多い。そのゴミ箱には燃えやすいゴミが捨てられているため危険だし、中には紙コップの底で火を消し放置する人もいる。備え付けのトイレットペーパーに引火する可能性があるなど、火災を防ぐのが最も重要だと説明した。火が出ると緊急着陸しなければならなくなり、他の航空機運航の大きな妨げになるし、万が一の事故にもつながりかねないとした。ではどうしてトイレで喫煙する人がいるのか。担当者は、

「機内で喫煙できる時代は座席の手すりに灰皿が備え付けされていたため、わざわざトイレに行って吸う人はいなかったと記憶しています」

とし、どうしてもタバコが吸いたくなり人に隠れて吸う場所としてトイレを選んでいるのだろう、とした。法律を破り危険を覚悟してまで吸いたい人がいるのなら、安全対策のため、逆転の発想で喫煙席の復活、喫煙BOXなどの設置という対策は取らないのかと聞いたところ、

「禁煙ブームの現状のなかでは、あり得ない事だと思います」

と担当者は話していた。

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