恐怖よりも嫌悪が強い
まず不快感は、「病気に関連した画像」に対しトライポフォビアのグループもトライポフォビアでないグループも平均8点以上となったが、「病気に関連しない画像」ではトライポフォビアのグループが平均7~8点だったのに対し、トライポフォビアでないグループは平均5点以下、中には4点(快適)に近い人もいた。
嫌悪感と恐怖感ではどうだっただろうか。「病気に関連した画像」に対しトライポフォビアのグループは恐怖感が平均3点だったのに対し嫌悪感は4点、「病気に関連しない画像」では恐怖感が平均2.5点に対し嫌悪感は平均3点で、嫌悪感が強い傾向にあった。
トライポフォビアでないグループでは「病気に関連した画像」に対し恐怖感2点、嫌悪感3.5点、「病気に関連しない画像」は恐怖感0.5以下、嫌悪感1点以上となっている。
こうした結果から、トライポフォビアのグループは病気に関連していようといまいと嫌悪感を強く抱いており、研究者らは「危険な生物への『恐怖』より、病気への『嫌悪』がトライポフォビアの根幹にある」と推測しているのだ。
また嫌悪感について、トライポフォビアのグループからは「皮膚がぞわぞわする」「皮膚を虫が這いまわるような感覚」といった意見が多く、クップファー博士らは
「寄生虫への明示的な言及となっており、病原菌や寄生虫への嫌悪を強く感じさせる」
とコメント。トライポフォビアが嫌悪感をベースにした感覚であり、寄生虫や感染症を回避しようとする過度の応答のひとつであると結論付けている。