小さな虫の噛み傷が1週間で命の危険 全国各地でツツガムシに警戒せよ

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【その原因、Xにあり!】(フジテレビ系)2017年7月14日放送
「この夏猛威振るう殺人ダニの脅威」

   ツツガムシをご存じだろうか。ダニの一種で、体長はわずか0.2ミリと、肉眼で見分けるのは難しい。日本全国の草木の多い場所に生息している。

   これから夏休みにかけて、山や川でのレジャーを楽しむ人が増えるだろう。暑さのあまり肌を出したまま草むらに入ると、ツツガムシに噛(か)まれる危険がいっぱいだ。この小さな虫は、命にかかわる恐ろしい感染症を媒介する。

  • 山の中に入る時は肌を出さないように
    山の中に入る時は肌を出さないように
  • 山の中に入る時は肌を出さないように

病原体が血管に侵入、全身に増殖して多臓器不全に

   番組で紹介したのは、ツツガムシに噛まれて生死をさまよったという福井守さん(仮名、65歳)。今も右手首に傷跡がハッキリ残っている。

   2年前の初夏、山菜取りのため山に入った福井さんの右手首に突然、違和感が走った。見ると特に異常はない様子で、痛みやかゆみもなかった。

   3日後、その個所に小さな水ぶくれができた。念のため皮膚科を受診すると、医師は「バラのとげですね」。軟膏を処方された。

   ところが、噛まれてから1週間後に体調が激変した。強烈な寒気に襲われ、立ち上がれないほどの激しいめまいと体のふらつきが起きた。急いで内科医の診察を受けたところ、「右腕のリンパが腫れている」とそのまま入院となった。抗生物質を点滴して治療に努めたが、高熱が続いて意識がもうろうとしたまま、症状は改善しなかった。入院から1週間たっても、原因は分からなかった。

   とうとう、総合病院に転院する。ここで医師が、右手首の傷に気が付いた。最初は小さな水ぶくれだったのに、大きく黒ずんでいたのだ。ここでようやく「ツツガムシ病」との正しい診断が下された。

   ツツガムシは「殺人ダニ」との恐ろしい異名がある。人間の皮膚に噛みつくと消化液を出し、皮膚を溶かす。消化液には病原体となる細菌が混じっており、これが血管に侵入して全身に増殖していく。最終的には内臓が侵されて多臓器不全となり、死に至る。最初に噛まれてから1週間程度で、命を落とす危険があるのだ。

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