「置いていかれ感」がある
モスフード株の年初来高値は1月4日と5月8日につけた3580円。17年3月期決算と18年3月期の業績予想の発表が17年5月11日で、これ以降は年初来高値に届かなくなっているわけだ。株価は3400円前後で推移しているので、大崩れはしていないが、他の外食銘柄の株価が好調なのに比べると「置いていかれ感」がある。
例えば日本マクドナルドHD。17年1月4日の終値は3045円で、一本調子に上がって連日年初来高値を更新し、7月14日の取引時間中の高値4500円は過去10年を振り返っても最も高い。市場の成長期待を集めていると言って良さそうだ。外食と言えば吉野家ホールディングスも代表的な銘柄だが、こちらも7月14日の取引時間中の高値2019円は過去10年の最高値だ。2017年3~5月期連結決算の大幅増益が素直に好感されている。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスは過去10年どころか過去25年にない高値圏にある。それぞれ足元の業績が評価されている。
マックの株価上昇の背景には15年12月以降、既存店売上高が17年6月まで17か月連続でプラスを維持していることがある。15年12月(8.0%)以外はすべて2ケタ増と急激な業績回復だ。気になるのは、以前はモスバーガーの「少し高いが健康志向」に対し、マックが「早い安い」志向だったが、ここへきてマックも値が張った商品を前面に出し、野菜を多用した健康志向を打ち出すなど、モスバーガーのお株を奪う戦略を打ち出し、支持されていることだ。モスフード株が伸び悩む背景にマックの好調があるのは間違いなさそうだ。