いくつかのスマートフォンに採用されている指紋認証や、銀行のATMに設置されている静脈認証、海外の空港で入国審査時に行われる虹彩認証など、人の生体情報を認証システムに取り入れた「生体認証(biometrics認証)」は身の回りでよく見かけるようになった。
上記のような指紋や静脈、虹彩がよく利用される生体情報だが、米国ではついにペニス(陰茎)を利用する生体認証が開発された。
指紋や虹彩に匹敵する生体情報
アダルトチャットサービス「CamSoda」はウェブカメラやスマホで動画を撮影・中継したり、中継されている映像を視聴することができるウェブカメラプラットフォームだ。
利用にあたってはユーザー登録が必要で一般的なメールアドレスとID・パスワードを登録する方法も用意されており、ログイン認証もIDとパスワードを入力するようになっている。これに加えて生体認証「Dick-ometrics」が2017年7月13日に開発されたと発表、こちらもユーザー登録、ログイン認証ができるという。
冗談やジョークの一環で、陰茎などを生体認証に使うという試みは以前から存在する。2016年5月に米国の電子掲示板「Reddit(レディット)」では、あるユーザーが自身の陰茎や睾丸、乳首をスマホの指紋認証に押し当てて登録したところ、これらでロックを解除できるようになったと投稿した。
ログインの度にスマホに陰茎を押し付けるのは避けたいところだ。CamSodaのプレスリリースによるとDick-ometricsは極めて衛生的な認証システムで、最初に陰茎の写真を登録しておき、以降のログイン時にはスマホのカメラで陰茎を読み込ませるだけでよいという。
写真の登録だけで認証できるのかという疑問もあるが、CamSodaは生体認証の開発を行っているセキュリティー企業と共同で「Penis Recognition Tech(PRT)」という独自のシステムを開発。指紋と同じように個々人で異なる陰茎のサイズや色、形状、静脈の位置を生体情報として登録し、認証に用いるとしている。
しかし、なぜ陰茎なのか。同社副社長のダン・プレス氏はリリースの中で、「陰茎は瞳や指紋と違い日常的に露出しておらず、生体情報が他人に盗まれるリスクが低い」とコメント。女性用のシステム開発にも取り組んでおり、実用化する予定だと語っている。
勃起状態で読み込ませる
スマホの指紋認証でも精度が安定しないことがあるが、Dick-ometricsの精度はどれほどなのか。米IT専門メディアの「CNET」が7月13日付の記事でCamSodaに精度を確認している。これによると、「約76%の精度で陰茎を特定しており、将来的には95%まで向上させたい」との回答が寄せられたという。
ただし、陰茎の状態によってサイズや長さ、血管の位置などに微妙な違いが出てしまい精度が落ちることも認めており、
「現時点では初回の登録時とログイン時には勃起した陰茎を読み込ませてほしい」
とのことだった。