視力障害や失明のおそれも
紫外線は目の異常も引き起こす。紫外線の多くは角膜で吸収されるが、角膜を通過すると、レンズの役割を担う水晶体で吸収される。
紫外線が原因となる目の病気は3種類だ。
(1) 角膜炎
角膜の表面に紫外線による傷が付く。症状は白目の充血や異物感で、悪化すると痛みをともなう。雪山など、特に紫外線の反射が強い場所で起きる「雪目」が代表的だ。大部分は2~3日で自然治癒する。
(2) 翼状片(よくじょうへん)
白目が翼のような形で黒目に侵入する。進行は早くないが、瞳孔まで侵入すると視力障害のおそれがある。手術で黒目に侵入している部分を切除して治療する。
(3) 白内障
水晶体の繊維が破壊されてにごり、網膜まで光が届かなくなって見え方の質が低下する。進行すると失明する可能性もある。にごった水晶体を人工の眼内レンズと置き換えるなどの手術で治療する。
その他の紫外線の悪影響は、以下の2つがあげられる。
(4) 光老化
しみができる、しわが深くなる、皮ふが厚く硬くなるほか、良性のできものである「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」ができやすくなる。
(5) 免疫の働きが低下
たとえば「口唇ヘルペス」は、一度かかるとストレスなどで再発しやすい病気だが、紫外線を浴びた翌日に発症することもある。紫外線で免疫が低下し、ヘルペスウイルスが再活性化するためだ。