米国10代の「性に奔放」は古いイメージ? 最新データではなんと性交渉率減少

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   映画やドラマなどフィクションを通してのイメージでは、米国のティーンエイジャーはなんとなく性に奔放で性交渉率なども高そうと感じることがあるかもしれない。

   しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)が5年おきに実施している米国在住の家族を対象にした調査「National Survey of Family Growth(NSFG)」の最新結果を分析したところ、10代の性交渉率が減少していることがわかったという。

  • 他国に比べると高水準だが確実に減少している
    他国に比べると高水準だが確実に減少している
  • 他国に比べると高水準だが確実に減少している

性交経験は低下、避妊具使用率は上昇

   2017年6月22日、CDCは「米国におけるティーンエイジャーの性的活動と避妊薬の利用:2011~2015年」というレポートをサイト上で公開した。

   80年代後半に米国で10代の妊娠と性感染症が公衆衛生上の大きな問題となったことがきっかけとなり、4回目のNSFG(1988年発表)以降CDCが定期的に発表しており、最新版は2011~2015年にかけて米国の15~19歳4134人を対象に性事情を詳細に聞き取り分析した報告書だ。対象は異性愛者のみで、同性愛者は含まれていない。

   まず、1988年には性交経験が男性で61%、女性が51%となっていたが、2015年は男性44%、女性42%にまで減少している。CDCによるとここ10年のペースは緩やかになっているものの、減少し続けているという。

   40%台がどの程度の比率なのか判断しづらいところだが、日本性教育協会が中学生から大学生までを対象に行っている「青少年の性行動全国調査(最新版は2011年)」の性交経験率によると、世代間の差が大きい(大学生では50%台だが中学生では2%程度)ものの、平均すると約20~30%となっていた。

   CDCによると過去よりも増加しているものもある。避妊具・薬の使用率だ。米国ではもともと避妊意識が高かったようで、使用率は1988年時点で男性84%、女性80%になっているが、2015年には男性95%、女性90%にまで上昇している。コンドームや避妊薬だけでなく、女性が子宮内に装着する「子宮内避妊用具(IUD)」などが10代用に再設計されて登場していることも、上昇要因のようだ。

   当然、10代の妊娠、出生率も低下しており10代の1000人あたりの出生率は22.3人と過去最低になった。

   こうした傾向についてCDCは「10代の若者たちが正しい性知識と技術を身につけていることを示す良い兆候だ」とコメント。ただし、減少しているとはいえ他の先進国と比較すると2~3倍以上の高い水準であることも事実で、「親世代への正しい性教育や性知識の啓蒙にも取り組み社会全体の意識を高める必要がある」とも警告していた。

姉妹サイト