授乳はママの子宮がん・乳がんを減らす 母子双方を幸せにする「母乳」の神秘

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授乳すると生理が止まり、子宮を休ませられる

   ところで、母乳を与えると、どうして母親のがんを減らすことにつながるのだろうか。2012年に国立がん研究センターが発表した「授乳と乳がんリスク」研究によると、授乳期間(複数の子を含む)が12か月増えるごとに乳がんの発症率が約5%の割合で減るという海外の報告を紹介している。また、国内の研究では授乳経験の有無によって、乳がん発症率が38~40%も減るというデータも紹介した(統計上は母数が少ないため有意ではない)。そして、乳がんの発症が減るメカニズムとして、次の理由をあげている。

(1)授乳すると、乳がんの発症率を高める要因である女性ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンの全身のレベルが低下する。
(2)授乳によってエストロゲンや発がん物質が乳管から体外に排せつされる。
(3)授乳によって上皮細胞の分化が促進される。
(3)また、生理が止まり、排卵が遅れる。(編集部注:生理が早く始まり、遅くまで続く人=初潮が早く更年期が遅い人、つまり生涯の生理期間の長い人ほど乳がんの発症率が高い)。

   一方、子宮体がんが少なくなる理由については、母乳育児応援サイト「あなたは幸せなママ」が、「母乳育児のメリット」の中でこう説明している。

「子宮の回復を助ける。赤ちゃんにおっぱいを吸われる行為には、子宮収縮作用があります。そのため、子宮の戻りが早くなります。母乳育児をしていた女性は、閉経前の乳がん罹患率や、卵巣がんのリスクが低減されるという報告があります。母乳育児中は生理が止まる場合が多いため、子宮を休ませることができるので、子宮がんなどのリスクも減るといわれています」

いずれにしろ、母乳のやりとりが母子双方に健康につながっているのだ。

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