日本ではワクチン接種を積極的に勧めないが...
HPVワクチンで気になるのは2013年6月以降、日本国内でワクチン接種後に重篤な副反応が生じたとする報告があり、現在まで厚労省がHPVワクチン接種を積極的には勧めないとしていることだ。
厚労省の研究班は2014年に、副反応とワクチン接種に因果関係は見られないと発表しており、2015年には世界保健機関(WHO)が接種を中止している日本を名指しで非難する声明を発表。産婦人科学会など関連学会もワクチン接種再開を求める声明文を発表しているが、国内では未だに接種を推奨しない状態が続いている。
男児への接種も推奨する米国ではどうだろうか。CDCは「HPVワクチンの安全性」というファクトシートも公開しており、膨大かつ長期間の臨床試験によってHPVワクチンの安全性と高い効果を示すエビデンスが確立されていると断言。
HPVワクチン以外のワクチンや薬でも見られる、接種した腕の痛みや腫れ、めまい、失神、吐き気、頭痛などの一般的な副作用が起きる可能性はあるが重篤な副作用はないとし、
「HPVワクチン接種の利点は、副作用の潜在的な危険性をはるかに上回ります」
と明言していた。