細胞を守るため悪玉コレステロールも必要
柳澤解説委員「今まで、コレステロールは控えろと言われてきました。急に『もっと取れ』といわれても、にわかに信じられません」
新開副所長「(細胞の画像を見せながら)細胞の壁に黄色い塊がたくさんありますね。これがコレステロールで、細胞の壁を支えています。年を重ねるとコレステロールが減り、細胞の壁が壊れてしまい、さまざまな病気になるのです。だから年を取ったら、コレステロールを意識してとらなくてはいけません」
柳澤解説委員「しかし、善玉、悪玉コレステロールというじゃないですか。悪玉が増えてもいいのですか?」
新開副所長「善玉でも悪玉でも、コレステロールは大事です。シニア期になると、細胞膜を守るために、悪玉でも一定の水準はあったほうがいいのです」
MCの有働由美子アナ「40~50代は今までどおり、コレステロール値は抑えた方がいいのですか?」
新開副所長「どの時期でもコレステロールは必要なのですが、あまり過剰になると色々な障害が起こります。ただ、高齢期になると、過剰のレベルがかなり上まで引き上げられるということです」
コレステロールが多く含まれる食材は、卵・いくら・数の子・レバーなど。
卵だと、毎日1個を目安に食べるといいそうだ。
ところで、高齢者の「栄養失調」で問題になる栄養素が、コレステロール以外にもう1つある。「アルブミン」というタンパク質だ。アルブミンは筋肉や血液を作る元になるばかりか、免疫力をアップする非常に重要なタンパク質。健康診断の血液検査の項目に「ALB」とあるのがアルブミン値だ。基準値は「3.8~5.2」だが、アルブミン値が低いと要介護になったり、死亡したりするリスクが高まる。厚生労働省の呼吸器研究班が65歳以上の肺炎患者を調べた結果、アルブミン値が基準より低い人は、肺炎になるリスクが9.1倍にも高まることがわかった。