魔女のおばあさんがニヤニヤと笑いながら食べ方を紹介するCMで有名な「ねるねるねるね」というお菓子があるが、思わぬ形で改めて注目されている。
とある貸会議室のその日の予定が書かれたボードに「ねるねるねるね教室」が開かれると書かれていたとして、「気になる」とツイッター上で報告があった。
「科学的根拠にもとづいて」商品の仕組みを知る
あるユーザーが2017年7月9日に投稿した写真には、同日の予定で「会議名」欄に「ねるねるねるね教室」とあり、「使用者名」には同菓子の販売元である「クラシエフーズ販売」(本社・東京都港区)の表記がある。時間は13時30分~16時の2時間半。
商品名のインパクトと、水を入れて練ると色が変わって膨らんでいくという商品特徴、さらにカラフルなパッケージやユニークなCMなどから、多くの人に強烈な印象をもってその存在が知られている「ねるねるねるね」。その「教室」にイメージが湧きづらかったのか、「気になる」「みんなで練り方を学ぶのかしら」「行ってきてほしい」とツイートは関心を持たれ、13日夕までに1万7000件の「いいね」がついた。
一体何をする教室なのか。開講するクラシエフーズの広報担当者は12日、J-CASTニュースの取材に「『ねるねるねるね』はなぜ色が変わるのかを子ども達に教えるイベントになります」と話す。「科学的根拠にもとづいて、物の性質を学んでいきます」というように、内容は至って真面目だ。
「理科の実験のように、色素を絞った液体、レモン汁や重曹といった材料を使い、変色や膨張の仕組みを学びます。その後、この仕組みを応用した菓子として『ねるねるねるね』を紹介し、実際に練ってみんなで食べます」
「『豊かな創造力を育む』菓子として」
小学生の子どもと親をターゲットに2010年ごろに開始し、ここ2~3年で開催回数を増やしている。規模や場所はさまざまだが、現在は全国で年間300回ほど開いているという。
1986年に発売した「ねるねるねるね」は、20年後の2006年から「知育菓子」という位置づけで売り出している。
「『ねるねるねるね』は、子ども用の菓子の中でも、開封してから自分の作業で形を作り、色の変化を見られるという独特な商品です。そのワクワク感から『豊かな創造力を育む』菓子として販売するようになったのです」(広報担当者)
また、派手な色合いから「こんな変な物は子どもに食べさせられない」との声を親世代からもらうことが多かったそうだ。同社としては「安全が確認された着色料のみを使用し、保存料や合成着色料は使用していないしっかりした商品です」と自信を持っている。そこで安全性の面も積極的に発信しようという意図で、親子で参加する「ねるねるねるね教室」の開講に至った。
教室は親子のコミュニケーションも楽しめるということで好評だという。同商品の販売数も「09年から12年の間に2倍に増加し、それ以後も少しずつ伸び続けています」と好調だ。
なお同社では2014年以降CSR活動として、11年に起きた東日本大震災の復興支援の一環で、被災地の小学校を訪問しての「知育菓子教室」も開講している。こちらでも「ねるねるねるね」などの商品を使い、子どもたちが好奇心をもって学習できる取り組みを進めている。