ヤクルトが2017年7月12日の巨人戦に敗れて10連敗した。ペナントレース前半戦で2度の10連敗は、1956年に当時の高橋ユニオンズが記録して以来61年ぶりの不名誉な記録となった。
ヤクルトはシーズン当初から投手・野手陣ともに故障者が続出し、ベストな布陣が組めない状況が続いている。
借金24、チーム打率・防御率リーグワースト
1度目の10連敗は6月10日に記録。その後6月14~17日には4連勝したが、好調は続かなかった。引き分けを挟んで2度目の10連敗となった7月12日の巨人戦は、防御率2.76だった先発のブキャナンが5回ともたずに7失点と炎上し、打線は12安打を放つも3得点どまり。3-8で敗れた。
真中満監督は試合後、「投打ともに今日は圧倒された感じだった」としつつ「後半は60試合以上残っている。選手それぞれが持っている力をきちんと出せば、ファンの期待に応えられると思う」と前向きに語っているが、浮上の兆しはなかなか見えてこない。
7月に入ってからは勝利がなく、12日の試合を終えてセ・リーグ最下位、借金は今季最多24で、5位中日とは8.5ゲーム差がついた。チーム打率.232、チーム防御率4.04もセ・リーグでワーストだ。
今季は巨人が6月8日に13連敗し、1975年以来42年ぶりに球団史上ワースト連敗記録を更新して大きな話題を集めたが、この時のセ最下位は巨人ではなくヤクルトだった。6月1日以降1か月以上にわたって最下位にとどまり続けている。
投手・野手いずれも故障者続出
ヤクルトは故障者が続出。開幕から前半戦終了まで先発ローテーションを守り続けたのは、石川雅規とブキャナンのみ。小川泰弘、オーレンドルフ、館山昌平は離脱し、山中浩史も7月初頭に復帰したが5~6月は長く外れていた。4月末からは星知弥、5月中旬からは原樹理がローテに入り、登板間隔は長めながら5月初旬から由規がコンスタントに投げている。
野手も主軸のバレンティンや畠山和洋、中村悠平、川端慎吾、大引啓次、雄平らが故障。そのけが人の多さから「ヤ戦病院」と揶揄されることがある。
けが人続出の背景には、ホームの神宮球場が大学野球と併用されているせいと見る向きもある。6月27日付ベースボールキングでは、日中は東京六大学・東都大学野球が神宮を使用し、ヤクルトは広い球場を使えないため「これではハードな鍛え方も難しく、それが故障者の多発につながっているとの見方」があると指摘していた。
ただ、9連敗した11日の試合、ニッポン放送の中継で解説した元ヤクルト監督の若松勉氏は「けが人が戻ってくるとかではなくて、待っていられない。投手も野手も本当に全員で盛り上がっていかないと」と故障者はもとより、チーム全体の奮起を促していた。
そんなチーム状態からか、2ちゃんねる上では2度目の10連敗後にため息がもれていた。
「今のヤクルトは夏甲子園出ても一回戦負けしそう」
「歴史上最低かもしれない巨人にこの体たらくのヤクルト」
「ヤクルトがあまりに悲惨」
「話にならんわ」
フロント陣の入れ替えは予定されていないようで、13日付スポーツ報知で衣笠剛・球団社長は、故障者の多い現状に触れた上で、2015年に優勝に導いた指揮官として真中監督を「(采配など)非凡なものを持っているのは事実だと思う」と高く評価している。