「映像が動かない」異色アニメに賛否 視聴者困惑「なんだこれ」「紙芝居?」

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   「意味がわからない」「謎の紙芝居始まった」――。2017年7月12日深夜に第一話が放送されたテレビアニメ『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』の視聴者から、こんな戸惑いの声が相次いでネット上に出ている。

   この作品では、キャラクターのイラストとセリフの字幕だけが延々と流れ、一般的なアニメのような「動き」が一切ない独特の演出をあえて採用している。これに、通常のアニメ作品を期待していた視聴者が大いに「困惑」したのだ。

  • ラファンドール国物語は「サウンドノベル」のような形式でストーリーが進行。テレビ放送も、これとほぼ同じ形式で放送された(画像は同作の公式YouTubeチャンネルの動画より)
    ラファンドール国物語は「サウンドノベル」のような形式でストーリーが進行。テレビ放送も、これとほぼ同じ形式で放送された(画像は同作の公式YouTubeチャンネルの動画より)
  • ラファンドール国物語は「サウンドノベル」のような形式でストーリーが進行。テレビ放送も、これとほぼ同じ形式で放送された(画像は同作の公式YouTubeチャンネルの動画より)

「映像化の意味がわからない」

   『ラファンドール国物語』は、ワーナーミュージック・ジャパンが16年9月から展開するファンタジー作品。公式ウェブサイト上でコンテンツを公開しており、毎週金曜日に1話ずつ物語を更新している。

   物語はイラストと字幕、声優のセリフとBGMだけで進行。いわゆるサウンドノベルゲームのような形式で、まるで音声付きの紙芝居のような表現方法が特徴だ。作品のシナリオを手掛けるのは、「ファイナルファンタジー」シリーズなどで知られるシナリオライターの野島一成氏だ。

   今回のテレビ放送では、原作となるウェブ版と同じ「紙芝居」のような表現方式を採用。10分の放送枠のうちキャラクターが全く動かず、ただ字幕とセリフとBGMだけが流れるという、テレビ番組としては「異色」の作品となった。

   これに戸惑ったのが、同作のテレビ版を「映像が動く、一般的なアニメ作品」と期待していたアニメファン達だった。実際、第一話の放送が始まるやいなや、ツイッターやネット掲示板には、

「なんだこれ...。 プレイ動画?紙芝居? これはアニメーションなのか」
    「ん?んんん?んん?」
    「ラジオドラマ? 映像化の意味がわからない」
    「アニメじゃない何かが、放送されてたんだけど、あれは、何?」

といった戸惑いの声が殺到することになった。

困惑の原因は「告知方法」に?

   なぜ、こうした困惑の声が相次ぐことになったのだろうか。その理由の一つとして考えられているのが、放送前の「告知」不足だ。

   実は、『ラファンドール国物語』の公式ウェブサイトやツイッターなどでは、同作のテレビ版が、ウェブ版と同じ「サウンドノベル」のような形式となることについて、目立つようにはアナウンスしていなかった。

   加えて、同作を放送するTOKYO MXとサンテレビ(兵庫)の2局は、公式サイト上で同作を「アニメ枠」で紹介している。さらには、同作のテレビ放送が始まることを告知したニュースサイト「ファミ通.com」の記事でも、

「テレビアニメ放送直前! 『ラファンドール国物語』情報まとめ」

と「アニメ」というワードを強調。この記事でも、テレビ放送がウェブと同じ形式になることには触れられていなかった。

   こうした事前情報から、同作のテレビ版を「通常のアニメ作品」だと勘違いして視聴したアニメファンは多かったようだ。実際、ネット上には、

「期待して録画してたのに...」
    「予想外だった」

など、事前のイメージとの違いを訴える書き込みも出ている。

原作者「賛否両論あると思いますが...」

   こうしたネット上の反応を受けてか、『ラファンドール国物語』の原作と音楽を手掛ける作曲家の矢内景子さんは放送終了後の7月12日深夜に更新したツイッターで、

「FANTASY PICTURE STORYという紙芝居形式でお送りしてます! 賛否両論あると思いますが、古き良きRPGの形で頑張っていきたいと思います」

と反応。続けて、「アニメももちろん大好きなので、いつかラファンドール国物語のキャラクターたちが自由に動くのも、みなさんと見られるよう、引き続きがんばります」との抱負も綴っていた。

   もちろん、同作のテレビ放送を好意的に受け止めたネットユーザーも少なくなく、ツイッター上には、

「ピクチャードラマだけどなかなか面白いな」
    「この試みは面白いとおもう」

といった声も。そのほか、今回のテレビ放送を受けて「ウェブ版を見てみよう」と興味を抱いた様子のユーザーも目立っていた。

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