2018年に発売されるという「iPhone」の新機種「iPhone8」。アメリカで、1台の価格が一番安いバージョンで1200ドル(約13万5000円)になるだろうと報道され、あまりの高価格に「これ誰が買うの?」「ローンを断られる」などと騒ぎになった。
最新機種「iPhone7」の一番安いバージョンは7万8624円のため、倍近くになる計算だ。国内のスマホ出荷台数の55.3%を占めるのが「iPhone」で、この値段では「iPhone」離れが起きる、との心配も出ているがどうなるのだろうか。
「10万超えてまで買うものじゃない」
アメリカのニュース専門放送局「CNBC」のウェブ版が2017年7月10日に報じた内容によれば、これまで「iPhone8」の価格は1000ドル(約11万3000円)からになるだろうとされていたが、アップルウォッチャーのジョン・グルーバー氏は、1200ドルと分析したと伝えた。次世代の 有機ELパネルや、指紋認証リーダーを搭載することによって原材料費が高騰するというものだ。これによって「iPhone 8」の64GBモデルは1249ドル(約14万1000円)以上、256GBモデルは1299~1399ドル(約14万6000~15万8000円)になるだろう、と書いている。
ネット上ではこの報道に対し、あまりに高価格だとし「これ誰が買うの?」といった疑問が出て、
「最新のデスクトップPCより高いってアホか」
「iPhone使ってるが10万超えてまで買うものじゃない」
「俺のスマホ 5台買えるわ」
などといったことが掲示板に書き込まれ大騒ぎになった。IT専門調査会社IDC Japan が16年11月30日に発表した「国内携帯電話・スマートフォン市場実績値」によれば、スマートフォン端末の16年7月~9月の出荷台数はアップルが55.3%とトップで、2位の12.5%のシャープを大きく引き離している。世界ではスマホのOSのシェアは「Android」が首位なのだが、日本は「iPhone」の「iOS」がトップであり、それだけ「iPhone」ファンの多い国内でのショックは大きいようだ。
「実際はパソコンより高価な商品」
しかし、青森公立大学の木暮祐一准教授は、
「それほど驚くような話ではないように思います」
と冷静だった。
J-CASTニュースが木暮准教授に取材したのは17年7月13日。准教授は歴代の「iPhone」を全て購入しているとし、
「ソフトバンクが販売を独占していた08年の『3G』発売当時は10万円近くしたと記憶しています。やがてau、docomoが参入し、販売競争やアップルから言い渡された販売ノルマの達成などで価格は抑えられましたが、それはあくまで見かけの価格であり、実際はパソコンより高い高価な商品なのです。今回の騒動でそれが分かったとしたら良い出来事だと思います」
と説明した。
「CNBC」が報じた「iPhone8」の価格については、あくまで噂レベルのものであり、こうした嘘か本当か分からない情報が小出しになり、ユーザーがあれやこれや議論をするのも「iPhone」新機種発売の楽しみである、とも語った。実際の販売価格の予想については、多少は「iPhone7」より高くなるのかもしれないが、販売を促進するためキャリアは妥当な買いやすい設定をしてくる。また、「iPhone8」が出ると「iPhone7」の価格が下がるため、そちらを求める人も出て来る。
「iPhoneが売れなくなるということは当面は考えられません」
と木暮准教授は説明した。