愛犬をダンベル代わりに抱きかかえて、持ち上げたり、スクワットしたりして筋肉トレーニングをする動画が海外のSNSの「Instagram」(インスタグラム)に投稿されて話題になっている。
運動しながら愛犬とのスキンシップを楽しみ、自分も健康になれる一石二鳥のトレーニングだ。いや、最新研究では飼い主と犬がスキンシップをすると、人と犬の双方に「愛情ホルモン」が湧き出るというから、「三兎を追う者は猪を得る」試みといえようか。
32キロの愛犬を抱えて何度もスクワット
2017年7月、「Instagram」に愛犬を抱いて筋トレをする動画を投稿したのは、米国に住むアリッサ・グリーンさんだ。フォロワーが2万6300人いるフィットネスブロガーだ。「Instagram」に載せた写真を見ると、腹筋が見事に割れ、片手だけで逆立ちできるムキムキウーマン。70ポンド(約32キロ)あるという愛犬のゴールデンレトリバーを抱きかかえ、何度もスクワットを繰り返した。
彼女の動画を見て、「僕も」「私も」と多くの男女が、自分の犬を抱えたり、肩に担いだりしてスクワットする動画を投稿、インスタ上に「#squatyourdog」のタグができた。2017年7月12日現在、1677件の動画が投稿されている。
自分より重そうなシベリアンハスキーを抱え上げる男性や、3頭の大きなブルドッグを次々と持ち上げると、犬たちが自分の番が待てなくて飼い主に飛びかかるものなど様々だ。犬たちも、中には迷惑そうな顔をするものもいるが、総じて楽しそうな顔をしている。
人と犬のスキンシップで「愛情ホルモン」がわく
人と犬のスキンシップは双方を幸せにするという研究がある。2014年に麻布大学獣医学部の研究チームが、犬の飼い主たちに30分間犬と遊んでもらい、実験の前と後に、飼い主と犬の尿に含まれるオキシトシンというホルモンの濃度を比較した。すると、犬と触れ合った直後に飼い主も犬もオキシトシン濃度が上昇した。オキシトシンは「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」と呼ばれ、特に母親が赤ちゃんに授乳している時に分泌される。このホルモンが分泌されると安らかになり、他者へのいたわりの気持ちが強くなる。人も犬も幸せな気持ちになっているわけだ。
さて、猫の抱きかかえる筋トレはないのだろうか。実は、犬よりも早く2016年7月にカリフォルニア州に住むモデルのトラビス・デスローリーさんが愛猫を抱きかかえる筋トレを「Instagram」に投稿している。この人もフォロワーが9万2500人いる。こちらはスクワットだけでなく、猫を右に左に動かしながらダイナミックに腹筋運動までする。そのせいか、腹筋が見事に左右6枚に割れている。