【あさイチ スゴ技Q 抹茶】(NHK)2017年7月11日放送 世界が注目の『スーパー緑黄色野菜』
日本文化を代表する食材・抹茶が、いま世界中で大人気だ。注目される一番の理由は、その豊富な栄養。抗酸化作用や疲労回復に効くビタミン、ミネラルをたっぷり含み、今の季節に欠かせない紫外線対策や夏バテ予防にもってこい。そしてダイエットにも役立つという。
食べて栄養を丸ごといただく観点から、抹茶を使ったスゴ技料理法や、スポーツドリンク、簡単にできる抹茶アイスの作り方などを紹介する。
体に必要なものが全部ある「完全食品」
番組では冒頭、米ニューヨーク市に誕生した「抹茶料理」の専門レストランを紹介した。レストランの看板には大きく「MATCHA」の文字が。中では抹茶入りのカフェドリンクやパスタ、サラダ、それにスティック菓子まで売られている。
抹茶は、茶葉を乾燥させ、すりつぶして粉末にしたもの。抹茶用の茶葉は、収穫の3週間前に畑をカバーで覆い、光合成を抑える。そうすることで、苦みが抑えられてうまみ成分がアップ、葉が柔らかくなる。そのため、茶葉に含まれる栄養を丸ごと摂取できる。ちなみに、煎茶などお湯や水で抽出し飲む場合は、栄養の半分ほどしかとることができない。日本獣医生命科学大学客員教授で、食品の栄養を研究している佐藤秀美さんが、抹茶の健康効果についてこう説明した。
佐藤教授「抹茶にはビタミンやミネラルが非常に多く含まれており、健康、美容、老化に効果がある『スーパー緑黄色野菜』と言っていいでしょう。栄養素はざっと並べただけで、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、カルシウム、食物繊維、ベータカロテン、サポニン、カフェイン、ナイアシン、ナトリウム、マグネシウム、リン、テアニン、アミノ酸、たんぱく質、脂肪酸、炭水化物と、体に必要なものはほとんど入っている、完全食品です。抹茶大さじ1杯分でベータカロテンはピーマン7個分、食物繊維はゴボウ1本分もあります。しかも、飲むお茶ではこうした栄養素の一部しか体に入りませんが、抹茶を食べると全部吸収できるところがスゴイです」
抹茶の魅力は茶葉の栄養を丸ごと食べるところ
抹茶の魅力は茶葉の栄養を丸ごと食べるところだ。そこで、料理研究家の德永睦子さんが、いろいろな料理に合う万能ソースの「抹茶ヨーグルトソース」の作り方を披露した。抹茶には、紫外線対策に必要な抗酸化作用のある栄養素がたっぷり含まれている。そのうちベータカロテンとビタミンEは、油と一緒にとると吸収されやすい。「抹茶ヨーグルトソース」はオリーブ油を使うのがポイントだ。
【抹茶ヨーグルトソース】
●材料(作りやすい分量)
抹茶小さじ2、ヨーグルト100グラム、オリーブ油大さじ2、レモン汁小さじ2、はちみつ小さじ1と2分の1~2、塩少々、こしょう少々。
●作り方
(1)抹茶とヨーグルトを合わせ、抹茶がダマにならないようによく混ぜる。使いふるした茶せんや泡立て器を使うと混ざりやすい。(2)オリーブ油、レモン汁、はちみつを加えしっかり混ぜる。(3)塩こしょうで味を調える。
抹茶にはダイエット効果もある。スポーツドクターで数々のエクササイズ本も出している整形外科医の中村格子さんによると、抹茶に含まれるカテキンは、有酸素運動をした時の脂肪の代謝を高めてくれるそうだ。だから、運動前の水分補給のスポーツドリンクとして飲むと、ダイエット効果がさらに高まる。中村さんオリジナルの「抹茶スポーツドリンク」を紹介する。
【抹茶スポーツドリンク】
●材料・1杯分(350ミリリットル)
抹茶小さじ1、塩ひとつまみ、はちみつ大さじ2、湯100ミリリットル、氷水250ミリリットル。
●作り方
(1)シェイカーに抹茶、塩、はちみつ、湯を加え、フタをしめ、しっかり振る。(2)そこに氷水を加え、フタをしめ、もう一度しっかり振る。氷が溶けたらできあがり。
最後に自宅で簡単にできる「特製抹茶アイス」を紹介しよう。食品メーカーで抹茶味の菓子を開発している池田淳一さんが、抹茶アイスの作り方を披露した。100円前後の市販のバニラアイスにティースプーン1杯分の抹茶の粉末を混ぜるだけだ。コツは、先に少量のアイスと抹茶をよく混ぜてから、残りのアイスを加えると混ざりやすくなる。抹茶の濃い味が好きな人は「抹茶マシマシ」(2倍量)や「追い抹茶」がオススメだ。
抹茶は缶ごと冷凍庫で保存する
ところで、抹茶はどうやって保存するといいのだろうか。お茶の研究50年の「お茶博士」こと大森正司・大妻女子大学「お茶大学」校長によると、抹茶の保存は缶のまま冷凍庫に入れておくのが一番いいそうだ。低温と紫外線に当てないことが大事だという。使う時は、冷凍庫から取り出したあと、常温で30分以上置いてからフタを開けるのがコツ。すぐにフタを開けると、抹茶が結露してしまい、香や色が損なわれてしまうのでご注意を!