【あさチャン! 夏の心筋梗塞に注意】(TBS系)2017年7月13日放送
連日の猛暑が日本列島を襲っている。2017年7月3日~9日の1週間に熱中症で緊急搬送された人は全国で4241人、6人が死亡した(総務省調べ)。
しかし、熱中症より怖いのが「夏の心筋梗塞」だ。心筋梗塞の死亡率は約3割。重い後遺症が残る場合も多い。夏の日の朝に発症することが多い心筋梗塞の防ぎ方を紹介する。
「魔の時間帯」は午前9時、32度を超えると危険
元大相撲小結でタレントの龍虎勢朋さん(享年73)や、元サッカー日本代表の松田直樹さん(享年34)は元気に活躍中、心筋梗塞で急死したが、2人とも暑い8月だった。ある医療機関の調査によると、心筋梗塞の死亡率は気温が32度を超えると急上昇する。なぜ、夏場になると、心筋梗塞の危険が高まるのだろうか。心臓病が専門の小田原循環器病院の杉薫院長がこう解説した。
杉院長「暑い外で運動したりして脱水状態になると、心筋梗塞の発症の可能性が高まります。血液がドロドロになり、固まりやすくなります。血栓ができて、血管を詰まらせるのです」
いわゆる「夏血栓」と呼ばれる「血栓症」だ。この血栓が脳に詰まると脳梗塞に、心臓に詰まると心筋梗塞になる。普通の時期の心筋梗塞は60代以上に多いが、夏の心筋梗塞は40~60代も危険だという。
杉院長「心筋梗塞は起こしやすい『魔の時間帯』があります。一般に起床してから1~2時間後の午前9時ごろが多いといわれます。職場に着いて仕事を始めてまもなく倒れるというケースもあります」
起床して1~2時間後は、自律神経の交感神経が活発に活動を始める時間帯だ。心臓は自律神経で動いている。交感神経は血圧を高め、心拍数を早くする。血栓があると、それを心臓に送りこんでしまうのだ。杉院長は、心筋梗塞の前兆となる4つの症状を紹介した。
(1)胸が圧迫される感覚が長く続く。みぞおちや肩の周辺に痛みを感じる。
(2)のどが締め付けられる感覚がある。のどがゼイゼイと苦しくなる。
(3)冷や汗が止まらない。
(4)歯が痛む。特に奥歯がうずく感じがする。また、あごが痛む。