景気判断「上方修正」が虚しく響く 個人消費「15か月連続」減

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「社会保険料の増加などで可処分所得が増えない」

   消費について、月例報告公表後の記者会見で石原伸晃・経済再生担当相は「(消費は)腰折れのリスクがある」と認めた。

   政府が個人消費の判断に使う消費総合指数(内閣府)は上昇を始めているが、その上がり方は、バブル景気などの時と比べると極めて緩やか。この間、雇用者所得が「官製春闘」などもあってある程度増えているが、消費総合指数の伸び率は、所得の半分程度にとどまる。所得の伸びほど消費が増えていないということで、「社会保険料の増加などで可処分所得が増えない、あるいはむしろ減っているため、消費の足を引っ張っている」(エコノミスト)との指摘がある。

   日本の景気を引っ張る柱の一つである海外経済にも不安がある。月例報告は景気の先行きについて、「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」という表現を維持した。米国を筆頭に海外経済の好調が日本の輸出や生産を押し上げてきているが、この状況が続くとは限らないと、政府自体が懸念しているということになる。

   実際、景気拡大局面が約8年続く米国では、新車販売が減速するなど、変調の気配もある。中国も、秋の共産党大会までは無理をしてでも好況を維持するとみられるが、その後の景気息切れを懸念する声は根強い。米トランプ政権の対外通商政策の不透明感も相変わらずだ。

   今のところ、日本経済がにわかに失速するような見方は少ないが、楽観もできない情勢となっている。

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