2017年7月12日に行われた日本航空(JAL)の定例会見終盤で、植木義晴社長が
「すいません、私から売り込んでいいですか?」
などと7月から導入されたばかりの制度を「猛プッシュ」する一幕があった。
植木氏が提唱しているのは、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」と呼ばれる新しい働き方。「休暇先で仕事する」とだけ聞けば「仕事を持ち込む」といったネガティブな印象も持たれそうだが、植木氏は制度の活用で、仕事の都合で旅行を中断せずにすむという新たな効果を強調している。
給料支払われ、有給にもカウントされない
この日の会見では、JAL社が取り組むテレワークの推進策の一環として「ワーケーション」の取り組みを7~8月にかけて行うことが発表された。主にデスクワークを行う地上職員が対象で、海外リゾートなど休暇先で最大5日間、遠隔勤務できる。制度利用中は給料も支払われ、有給休暇にはカウントされない。国内の「ワーケーション」の例は日本マイクロソフトや和歌山県などがあるが、海外の休暇先での勤務を認める例は珍しい。
植木氏は会見冒頭、
「年間20日の年休取得と合わせ、この制度を活用し、休暇先で仕事をするという新たな働き方により、早朝や夕方以降の時間を自由に過ごすことで、業務への新たな活力につなげることが狙い」
などと述べた上で、会見終盤にも、質問が途切れたのを見計らって、
「実際に取り組んだ者にいろいろ話を聞いて、僕としてもこれの有効性を確認した」
などと発言。制度の効果を売り込んだ。