ネットの「善意」の盲点 九州豪雨で「タオル大量送付」が起きたワケ

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「ネットの良さと怖さの両方を感じた」

   ただ、送られてきたタオルは「決して無駄になっていません」とも訴える。集まったタオルを周辺住民に配布したり、近隣の避難所にまとめて送ったりと、タオルの支援で「地域が助かっていることは確か」だという。

   その一方で、「まさか、こんなことになるとは。ネットの良さと怖さの両方を感じた」とも漏らす。そう感じた理由については、

「問い合わせの電話に対応する中で気づいたんですが、皆さん『私の投稿』を見ているわけではないんですよ。拡散、転載された投稿だけを見て電話をしてくる。だから、もう支援を打ち切っていることにも、全然気付いていないんです。『助けたい』という気持ちばかりが先行していたような人もいました」

と説明する。

   また、支援を募集した投稿を、本人の許可を取らずにブログで拡散したユーザーの一人からはすでに「謝罪」を受けたという。その際、投稿を拡散したユーザーは、

「善意のつもりで、深く考えずにやってしまった。逆に迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っている」

と話していたそうだ。

   今回の取材の終わり、「今後は物資を貰うつもりは一切ありません」と一言。その上で、

「皆さんにも、改めて考えて頂けたら嬉しいです。ネットで拡散されている情報だけを見て、被災地に物資を送ることが本当に正しいのか。その善意が、本当に被災者の助けになるのか。私自身も、過去に被災地に支援物資を送ったことがあります。こうした自分の過去の行動も含めて、今回の出来事は、支援のあり方をみんなで考える良い機会になったんじゃないかと、そう思っています」

と話していた。

       

   <7月12日21時追記::編集部判断で、ご本人のお名前と店名を匿名に変更しました。>

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