ダルビッシュ「球宴は2試合もいらない」「みんなの憧れにならない」

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楽天・梨田監督「あの制度は見直してほしい」

   日本では球宴の選出人数が原則セ・パ各28人、米国はアメリカン・ナショナル各リーグ33人と、枠自体は日本の方が狭いが、「母数」は大きく異なる。日本は両リーグ6球団ずつで一軍登録数が各球団最大28人(ベンチ入り25人)、単純計算で168人(28人×6球団)から選出するのに対して、米国は両リーグ15球団ずつ、メジャー契約枠は各球団最大40人(ベンチ入り25人)となっており、同様の単純計算で600人(40人×15球団)から33人が選出される。そして日本では試合数も倍の2戦が行われるため、選出された大半の選手が一定の出場機会を得られる。逆に大リーガーにとっては、球宴選出はもとより、そこで活躍の場を得るのも「狭き門」になっている。

   また、米国では球宴の勝敗によって「特典」があり、勝利側のリーグがその年のワールド・シリーズでのホームアドバンテージ(第1、2、5、7戦をホームで戦う権利)が得られる。日本シリーズは偶数年と奇数年でセ・パ持ち回りとしているため、球宴でのチームとしての勝利に「インセンティブがない」と指摘する向きもある。05年にはセ・パ交流戦も開始したことで、リーグを隔てて選手が相まみえる機会自体も珍しくなくなりつつある。

   球宴辞退のペナルティーについて定めた日本の「野球協約86条」が球団に困惑を与えることもある。同条では、ファン投票で選出された選手が辞退した場合、球宴後の10試合で選手登録を禁じている。17年は楽天の茂木栄五郎内野手がファン投票で6月末に選出されたものの、右ひじのけがなどで6月中旬までに一軍登録を抹消されていた。リハビリ中の茂木は球宴での無理強いを選ばずに7月11日、出場を辞退して10試合の登録禁止を受けることとなったが、楽天の梨田昌孝監督は「10試合より早く治ったら、ルールを変えて出させてほしい。あの制度は見直してほしい」と訴えた。あくまで一例だが、球宴が「悩みの種」と言える存在になった形だ。

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