九州北部豪雨で感染症が心配 急性胃腸炎に破傷風、こう防ぐ

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常総市の「大水害」では破傷風1件だけだった

   2015年の台風18号で大きな被害を出した茨城県常総市。同年9月10日、市内を流れる鬼怒川が数か所で氾濫し、その後堤防が決壊した。市作成の検証報告書によると、9月11日時点で市内外に計39か所の避難所が開設され、避難した人の数は6223人に上った。

   感染症は防げたのか。茨城県が公表した当時の災害対策の検証結果には、「感染症法に基づく届け出は,破傷風1件のみであった」との記述がある。茨城県健康予防課はJ-CASTヘルスケアの取材に、この人物は常総保健所管内(常総市、下妻市、坂東市、八千代町)在住で、15年9月15日、浸水した自宅の片付け中に誤って左手の指を釘で刺したことから発症したと説明した。一方、避難所からは消化器や呼吸器の不調を訴えた人の報告が数人ほど寄せられたが、すべて症状は軽く避難所での集団感染は発生しなかった。

   保健予防課では、避難所開設後間もない9月11日午後には、常総市の避難所で消毒薬やマスクの配布を行っている。13日になると、常総市や県ボランティアセンター向けにチラシやポスターを作成し、掲示を通して被災者やボランティアが感染症を予防するよう注意喚起をしていた。

   こうした初動での素早い対応と、避難所のこまめな巡回や指導の徹底で、感染症拡大を防げたとみられる。今回の九州北部豪雨でも、自治体や被災者、県外から来るボランティアにとって参考になりそうだ。

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